片恋電車２ *｡◯Sho.S*｡◯

｡◯47話*｡◯ ページ17

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よくよく考えたら

会社の一角で、何してるんだって感じだし。

もしあそこで誰かにバレていたら、どうなっていたんだろう。



でも、彼と話していると他のことは何も考えられなくて

どんどん好きになってしまってる事が、少し怖い。






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翔「Aさん」





駅前のロータリーで時計をぼーっと見ていたら声がして

振り返ると、運転席から手を振る翔さんが居た。





A「お疲れ様です。今日は車なんですね？」

翔「そ。乗って？」





言われた通り、助手席に腰を下ろすと

それを合図に車が走り出す。



あれから、また翔さんとご飯に行くようになって

今日も仕事帰りにお迎えしていただいた。



翔さんの運転する姿

何回見ても、ドキドキする。




今日のお店はイタリアンで

翔さんが車だからご飯だけだったけど

美味しくて幸せいっぱい。

あと、パスタを器用に巻く翔さんが美しかった。




翔「じゃ、そろそろ」

A「そうですね」




ご飯を終えて少しお喋りをした後

車に戻ってシートベルトを締める。



あぁ、もう帰るのか。ってしょんぼりしてた時

翔さんが発進準備をしながら口を開く。





翔「Aさん、明日何かある？」

A「？いえ、特に何もないです」




じゃあ…っていいながら車が進み出して

翔さんがハンドルを右に切りながら続けた。




翔「これから飲むの、付き合ってくれない？俺んちで」

A「え？」




びっくりして翔さんの方を見ると

前を見たまま、ふって小さく笑われる。




翔「なんて、あんな事あった後じゃ来づらいだろうけど」

A「えっ…と」

翔「やっぱAさんと飲むの、好きなんだもん」

A「…」

翔「Aさんの嫌な事は絶対にしない。約束する」




“好き”なんて

深い意味がないことはわかっているけど

いちいち胸が高鳴っちゃうの、どうにかなんないかな。



それに。

そんな真面目な顔で言われたら、もう断れない。

ズルイ、翔さん。




A「…わかりました」

翔「マジ？やったあ〜。じゃ向かうね」




進路が変わるかと思いきや

方向を変えずに進む車。



…もしかして。

私が断らないの、わかってたんじゃ？

なんて、考え過ぎか。

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