片恋電車２ *｡◯Sho.S*｡◯

｡◯46話*｡◯ ページ16

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翔「…うわ…マジでごめん」




手を壁から離して

自分の頭を抱えてそう言う翔さん。



さっきの声色から一変して

落ち込んでいるようで。





翔「ほんとにごめん」

A「あ、えっと…」

翔「そりゃ避けたくもなるわ…最悪…」





そのまましゃがみこんでしまう翔さんに

こっちがたじたじになる。



こんな落ち込むなんて…

思わず私が言っちゃったからだ。



ちょっと責任を感じて翔さんと同じ目線までしゃがんで

顔を覗き込むようにする。





A「翔さん？私は大丈夫ですから…」

翔「大丈夫じゃないでしょ？避けるほど嫌になっても不思議じゃないよ」

A「嫌になんてなってないです！ただ、何となく気まずくて…」

翔「…はぁ…ごめんね」

A「本当に大丈夫です！それに私…」





それは、特に深く考えず

翔さんを励ます一心で言った言葉だったけど





A「別に嫌じゃなかっ…た…ので…」





言い出してから

凄いことを言っていると気がついて。



何てこと言ってるんだろ、私…。

恥ずかしくなってきて、急に体が熱くなる。






翔「…嫌じゃ、なかったの？」





改めて聞き返されるなんて、何の拷問。

そう思ったけど、そう聞く翔さんが

仔犬みたいに可愛く健気だったから。



首を、ゆっくり

少しだけ、縦に振った。





翔「…ふぅん」





もう一度顔を上げると、視線がぶつかって

そこから、捕らえられたように目が離せなくなる。



スッと翔さんの手が伸びてきて

切ない顔で私の頰を、そっと撫でるから






心臓が


爆発しそう。







ブーッ…



翔「…あー、時間切れ」





その時、翔さんのポケットで

仕事を知らせる音がなって、手が離される。



やっと私も我に返って

慌てて立ち上がって、服装を整える。




びっ…くりした…






翔「Aさん、本当にすみませんでした」

A「いえ…」

翔「今度またちゃんとお詫びするので…またご飯、来てくれる？」

A「はい、是非」

翔「よかった。じゃあ…行くね」

A「…はい」






私の返事を聞くと

翔さんは、ニッと微笑んで部屋を出て行った。



1人そこに取り残された私は





A「…はぁ…」





ヘナヘナと力が抜けて

その場に、また座り込んでしまった。



あぁ、本当に

翔さんといると、心臓がもたない。

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