恋愛の公式。 (ページ21)

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嘘

そんな風に思いながら、顕嵐くんを見上げたら

顕「もしかして、思い出した？」

そう言って、くしゃっと笑った。

さっきから、顕嵐くんの言動ひとつひとつが気になって、ドキドキする。

抱きしめてくれた、温かい手も、

その声も、

キラキラした笑顔も。

こんな気持ち初めてで。なんかくすぐったかった。

顕「俺、Aのこと、ずっと前から知ってた。小学生の頃かな。Aは覚えてないかもしれないけど。」

ううん、覚えてるよ。

あの時、助けてくれたのは顕嵐くんだった。

話したことも無かったけど。

今、やっと思い出した。

「すごい、偶然だね。」

顕「ほんとに。運命だったらどうする？」

「偶然とか、運命とか、そういうものの定義はわからないけど、顕嵐くんとなら良い気がする。安心できる。」

顕「そっか、ありがとう。じゃあさ、ちょっと俺の話も聞いてくれる？」

金曜日の午後９時頃、私の家での、打ち明けばなし大会が始まった。

男の子と２人、それに気を使ってくれたのか、沙弥と、神宮寺くんも呼んでくれた。

彼は、最高に良い人だ。