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「………」
……言葉が出ない。
……立ちすくむ。
まさにその通り。
ニノ…ご本人はニヤリと口角を
あげて私を見てた。
二宮「おねーさんもここの人？」
「……」
二宮「おーい？」
「……あ、は、い」
二宮「何階？」
「……12カイデス」
二宮「なんでカタコト笑」
……聞いた事はある。
二宮さんの私服はダサい…と。
まさにそれ。
だからご本人とか全く気づかなかった……。
二宮「…着きましたよ？」
「……あ、はい」
二宮「これからも応援宜しくね？」
……そう言われただけで目眩がする。
まだ…一緒にいたい。
ファンならそう思うのが当然。
でもツアーを終えたばかりで疲れてるだろうし
これ以上はお話しなんて出来ない…。
泣きたくなるのをぐっと堪えて
彼にペコッと頭を下げてドアの前に
いこうとしたら…ガタン！！っと。
「……へ？」
二宮「……嘘だろ」
……何かの不具合なのか
エレベーター内の電気が消えて…
ボタンを連打するも
ウンともスンとも言わなくなった……。
……彼が言うようにまさに嘘でしょ？！！
って叫びたかった。
彼だって…こんな密室におばさんと
2人きりだなんて…いやだと思う。
なるべく彼を見ないように
壁際にもたれる。
二宮「うん。止まった」
誰かに助けを求めてるんだろう。
彼の声が後ろから聞こえる。
ニノじゃない…ただの男の子と
密室にいる。そう自分に強く言い聞かせる。
そうしないと……。
二宮「すぐ管理室に連絡してくれるって」
「………」
二宮「…おねーさん？大丈夫？」
「……は、い」
……だめだ！！息しないと死んじゃう！！
さっき真奈に目があった！って報告して
騒いでたのに…いま真後ろにご本人がいるだなんて…。
二宮「…すっげー、汗かいてんじゃん。」
「…き、にしないで、くださいっ」
二宮「あー、これ。飲んで？口付けてないし」
…ガサゴソと後ろから聞こえてきて
ピタッと頬に当てられる。
「ひゃっ？！」
二宮「脱水症状起こしたら大変だから」
「……き、にしないで、ください」
……はー。
可愛くねー女だな。って思われたよね。
心配してお茶渡してくれてるのに…。
けど、この汗は密室だからとかじゃなくて
貴方といるって事で緊張して出てる汗なんだけどな…って言いたいのをぐっと堪えた。
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作者名：niko | 作成日時：2018年7月12日 0時
