８−５ しょう、ご主人と であう ページ1
[しょうside]
かつ、かつ。
ト「大事なことをいうよ。
今日、夜、僕たちがいつも寝る時間に、
外の入り口に行って」
「絶対だよ」
しんけんな、とれーなーさん。
つたわる、って しんじて うなずく。
とれーなーさんは、それを みて
にっこり、って
いつもいじょうの えがおで、わらう。
なんだか、はなが、つん、と した。
あしおとが とまる。
「っ！隠れて！」
とれーなーさんが
ぼくを ふとんの なかに おしこんだ。
団「おう、やーっと戻ってきたな‥」
いつもの だんちょうさんの こえ じゃない。
「だ、団長！すみませんっ！」
団「歯ぁくいしばれ？」
「っ、ゲホッ！」
ばきっ、と おとが した。
とれーなーさん！
おもわず ふとんから かおを だす。
「ばっか‥中に‥」
はなから、あかいのが でてきている。
団「おうおう、ダメダメネコと
ダメダメトレーナーじゃねぇか。
お前はさっさとこっちに来い！」
くびを つかまれて、だんちょうさんの
とこに もどされる。
「シャーーーーーッ！」
もう、がまん できない！
団「いってぇ！」
とれーなーさんのこと、きずつけるな！
「だめだ、にげ‥ろ」
団「こっ‥の！」
くるしい。
だんちょうさんが、
りょうてで、くびわを おさえてる‥。
団「動けなくして
このまま、外に捨ててやる！」
めのまえが、まっくらに なった。
あったかい ものを かんじて、めを あける。
しろい、いろが みえた。
「‥あ、目が覚めた？」
おんなの、ひと？
「迎えにきたよ。
おそくなって‥ごめんね‥」
やさしい こえが、こころに とどく。
ぎゅ、って だきしめられて、
なみだが でた。
ごめんね、って いわれたのが、
どうしてか、わかった きが した。
でも、このひとに たすけて もらえて、
よかった‥。
そのまま ぼくは、ねむたくなって、
ゆっくり、めを とじた。
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作者名：嵐夏トロイメライ | 作成日時：2018年5月19日 11時
