１−５ しょうとご主人 ページ10
[しょうside]
目をあけると、もう あかるい。
あれ、てれび つけっぱなしだ。
いつもご主人が見てるの、やってる。
でも‥、ご主人は？
きっちん、には いない。
ぼくがいる りびんぐ にも。
めずらしいな。
ご主人のへやのまえに行くと
いつもどおり、どあが あいてる。
「いつでも入ってきていいからね」
って、ご主人が あけといてくれるんだ。
そっ、と はいると、
「スー‥スー‥」
なんだ、ねてたんだ。
よかった。
でも、そろそろおきてほしいな。
『ニャッ』
いきおいつけて、ご主人のおなかに
じゃーんぷっ！
「うっ！」
おっ、
「なに‥まさき？」
ぼくのせなかをなでると、
「‥？
ちがう！しょう！
起こしてくれた！？」
そうだよ。ってことで。
『にゃーん』
「ああ、ありがとう！
やっば‥、くないわ、助かったー！」
ご主人は、めったにそとにいかない。
ぼくらのさんぽ いがいには。
そとが こわい、みたい。
ゆっくりじゅんび する
ご主人を見てるのがすき。
そのうち みんな おきだすんだ。
おっ、じゅんがまさきにおこされた
みたい(笑)。
すっごくふきげん(笑)。
あ、じゅんびもおわったみたいだ。
「じゃあ、行ってくるね、みんな。」
みんな げんかんで おみおくり。
ひとりずつだっこして、
ぎゅっとつよくやってから
ご主人は、
「大丈夫、大丈夫‥」
ってつぶやく。
それから、
「行ってきます」
ってぼくたちに笑がおで行く。
でも、その笑がおは
にせものなんだ。
いってらっしゃい、ご主人。
おそいと ぼくたち しんぱい だから
早くかえってきてね。
いつも おもう。
ガチャっ！
あっ！
「ごめん、忘れ物ー！」
これも、いつものことだ(笑)。
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作者名：嵐夏トロイメライ | 作成日時：2018年2月19日 11時
