８−３ しょう、ご主人と であう ページ48
[しょうside]
しらない おんなの
ひとが きた よる。
いっしょに ねていた とれーなーさんが、
そっと べっとから でていった。
とれーなーさんは、よるが こわいから、
ねるまえに へやから でなきゃ
できないことは
ぜんぶ やっちゃってるのに。
どうしたんだろう？
「‥やです！」
どたどた‥！
‥ばたん。
「うう‥ひっく‥」
ないてる？
べっとにもどってきた とれーなーさん。
ぎゅっ、と いたいくらいに
だきしめられた。
「‥っく‥。いやだよ、いかないで‥」
「お金‥お金のせいだ‥」
しばらく ないて いたけれど。
「100回、成功すれば
いいんだもん、だいじょーぶ‥。」
そういうと、ごしごし なみだを ふいて。
「ごめんね‥？おやすみ‥」
あさ。
「おはよー！おきて！」
『にゃお〜ん』
「ふふっ、おはよう。
‥ふぅっ‥」
とれーなーさんが ぼくを だきあげたら、
めに なみだが。
『にゃー‥？』
「‥、ごめん、だいじょーぶ！」
ほんとはそうじゃないよね？
ぼく、どうしたらいい？
『にゃっ』
「ふふっ、くすぐったいよ‥」
こぼれそうに なってた なみだは、
ぼくが もらうよ。
とれーなーさん、げんきに なって？
「ありがとう、ぼく、頑張るから」
しょーが はじまると、
いつもどおりに なる とれーなーさん。
おわるたびに、
「ありがとう‥あと、もう少しだから」
ぼくを だきしめて、
じぶんに おまじない してる。
先輩「おーい、とっとと片付けろ！」
「は、はいっ！」
とれーなーさん より えらい ひとに、
いっぱい いろんなこと やらされてた けど、
おまじない していくと
とれーなーさんは おちついてた。
なんかいか、きせつが かわって。
しょーが はじまるまえ、
「‥、今日で、全部おわるから‥。
今日は、とびっきり、笑顔で頑張ろうね」
『にゃおん！』
ちょっと ぼくも きんちょう してる。
でも、
もちろんだよ、とれーなーさん！
そして、めいん の つなわたり。
なわに のると、すこし からだが
ゆらゆら した。
『(だいじょうぶ、いつもと おなじ)』
『「うまく いきます ように！」』
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作者名：嵐夏トロイメライ | 作成日時：2018年2月19日 11時
