トライアングル２ (ページ2)

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『足出して』って言ったのは

｢…翔くん…｣

翔｢早く｣

履きかけた靴下を脱ぐと、翔くんが持っていた救急箱からいろいろとりだして。

待って…怪我してるの気づいて持ってきてくれたの?

わざわざ？私自分で落ちて怪我したんだよ？

しかも、翔くんまで迷惑かけちゃったんだよ？

翔｢俺が、ダンボールとればよかったよな。ごめん。｣

｢ううん！そんなことない！ …私の方こそ、その…ごめん。事故なんだけど、やっぱり…｣

『申し訳ない』って言おうとしたのに、
翔くんがもう言うなっていう目をして見つめるから。

そんなこと言えなくなっちゃったじゃん。

翔｢まぁ、あんなとこから落ちるなんて相当な運動音痴だよな？｣

ニヤリって笑ってそう言い放った。

｢そ、それは！椅子が古いから悪い!!｣

翔｢うわ。モノのせいにした～｣

｢違うし!!!!｣

そう言いながらも暗い空気が穏やかな空気になったのは、翔くんのおかげ。

そういうやりとりをしてる間にも手当が終わったみたいで。

翔｢俺もうすぐ次の競技だし戻るわ…｣

｢翔くん！あの。ありがと！｣

いーえって言って歩き出した背中を見て思ったんだ

私、翔くんのこと好きだ。

翔くんの、意地悪なところも優しさも全部…。