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翌朝。
住所の通りに来てみたら、そこはいかにも事務所という感じのビルだった。
「緊張するな〜」
そんなことを言いつつもビルの中に入った。
なぜか誰にも怪しまれなかった。
警備員さんには笑顔で会釈をされるし、受付では「竹下Aさんですね。こちらです」なんて言われて多目的室と書いてある所に案内された。
不気味だ。
「こちらで少々お待ちください。お茶とお菓子を置いておきますのでごゆっくりどうぞ」
「あっ、お構いなく」
ここまで案内してくれた人は微笑を浮かべて部屋を出て行った。
なんだろう、なんかおかしいよね。
なんか、あたしがここに来るの知ってたみたいに。
とりあえず、お菓子を食べて暇を潰した。
数十分後。
＜コンコン。＞
と音がして知らない女の人が入ってきた。
女の人はあたしの真ん前に座って名刺を出した。
「こんにちは」
「こんにちは。あっ、竹下Aと言います！」
「Aちゃんね。長い付き合いになると思うし、よろしくね」
あれ、思ったよりフレンドリーな人…。
どうやらお母さんの言っていた『知り合いの人』とは、この人のことらしい。
「私は加藤聡美。気軽に『聡美さん』なんて呼んでね。加藤さんなんてやめてね？」
「あ、はい。聡美さん…」
聡「うふふ、それでいいのよ」
「あの、マネージャーの話を聞きに来たんですけど…」
聡「え？もうAちゃんで決定しちゃったけど」
「えぇっ？！」
聡「だって裕子ちゃんから聞いたんだもん、『娘が行くからよろしく』って」
「お母さんから？え、それって誰のマネージャーなんですか？」
聡「あぁ、それならもうすぐここに来るわ」
＜コンコン＞
聡「あ、来たわね」
誰なんだろう…
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作者名：奈央 | 作成日時：2010年7月20日 18時
