51話 ページ7
…ギシ…ギシ…
木が軋む音が遠ざかっていく。
『…っ!〜〜っ!』バシバシ
「あ、ごめん」
『っぷはぁ!!!!』
マッシュくんはやっと私の口元から手を離してくれた。
し、死ぬかと思った…
「Aちゃん!?どうしてここに?!」
「A!部屋から出るなと言っただろう!」
「てめぇ!レディに向かってその口の聞き方はなんだ!?」
潜めた声が響く。
そばにはランスくんやフィンくん、ドットくんまで揃っていた。
『ごめんなさい…危険だとはわかっていたのだけれど、レモンちゃんが部屋に帰ってこなくて、心配で、、』
「じゃあ仕方ありませんな。このままみんなでレモンちゃんを追おう。」
「はぁ…。だがそのかわり、絶対に俺から離れるんじゃないぞ。」
「おめぇさっきからマジで何面してんだゴラ?Aさん、こんなイケすかない野郎は置いといて、いつでも俺を頼ってくださいね…!!」
『あ、ありがとうね、ドットくん…。』
「まって!どっかいっちゃうよ!レモンちゃん。」
皆がヒソヒソと話ている間に遠くへ行ってしまう。
フィンくんの声を合図に皆レモンちゃんが向かった方を追いかける。
レモンちゃんらしき影が曲がった方へ続くが…
「いない…。」
そこは行き止まりだった。
兵士の鎧が飾られているのみで、部屋どころか扉も見当たらない。
ギシ…ギシ
ゴー
「なんか今聞こえなかった?」
「は?なんも聞こえねえよ」
いや、フィンくんが言った通り先ほどと同じ木が軋む音が聞こえる。
地下からは微かに空洞音も。
「ひっ!俺も聞こえた。死にたい…」
「うわぁ…うう…」
正体のわからない音にフィンくんとドットくんは完全に怖気付いてしまった。
『落ち着いてください。下から空洞音がします…ランスくん。』
「ああ、これは魔法だ…
”ディスクロズ”」
ランスくんが呪文を唱えると、ただの石造りの床から立派な扉があらわれた。
(秘密の部屋…本当にあっちゃったよ)
「俺の力では 扉の姿を晒すのまでが限界だ」
「扉の鍵を開けるにはまた別の魔法が…」
「”マシンガン エクスプロム”!」
ドットくんがお得意の爆発魔法で扉を攻撃するが、傷一つつかない。
「クソッ!びくともしねぇ」
『かなり複雑な呪いがかかってますね。下手に開ければ何が起こるか…』
早速お手上げ状態かと思ったその時
マッシュくんが甲冑の鎧を扉の近くまで持ってきた。
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あいうえお - 続きが…みたい… (4月9日 11時) (レス) id: 7f90ae69cf (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続きお願いします! (4月3日 8時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 新たなるお兄様に早く会いたい…次はどんなキャラクターにするのか楽しみに待ってます!!やっぱりシスコン系かな…?あと77話の最後のほうにグレアって書いてあるのは誤字ですか? (3月14日 22時) (レス) @page35 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
れむぴー+。.??°*(プロフ) - なんですか?これは!!!!神作じゃないですか!!最高です!更新お待ちしております! (3月10日 14時) (レス) id: dc67ab63a0 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - イラストは可愛い ストーリーは面白い 久しぶりに神作に出逢いました。ちゅきです!これからも応援しています! (3月9日 0時) (レス) id: fd38ddb771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aramaki | 作成日時:2024年2月17日 4時