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49話 ページ5

やつれたトム先輩が昨夜あったことを教えてくれた。
夢にうなされ、気がつけば魔力がスッカラカンになっていたそうだ。
ほかに連れてこられた生徒も同様だそう。

見舞いが終わり保健室を出る。
レモンちゃんはかなりマッシュくんを心配しているようで、一週間ほど前から作っていたシュークリーム型のお守りを渡していた。
マッシュくんはあまりお守りの意図を理解していないようだったが、無事渡せてよかった。
今後あの2人の恋路もどうなるか気になるところではある。

「A、ちょっといいか。」
『ランスくん?どうしましたか。』

不穏な空気にそぐわないことを考えているとランスくんに呼び止められる。

「昨日、マッシュと梟小屋で掃除をしていたら七魔牙(マギア・ルプス)の襲撃を受けた。何もないとは思うが…お前もできるだけ1人にならないようにしろ。」
『え、襲撃!?それ、大丈夫だったんですか?』
「俺たちはな。だが奴らも何を考えているかわからない。」
『なるほど、私やレモンちゃんが人質になる可能性もあるってわけですね。』

マッシュくんやランスくんであれば返り討ちにすることができても、私たちでは歯が立たない相手だ。
ランスくんはその可能性を心配しているんだろう。

『大丈夫ですよ。昨日仮面をつけた人が級硬貨(コイン)狩りをしてるところを目撃しましたが、何もありませんでしたし』
「はぁ!?仮面って、そいつも七魔牙の人間だぞ!?」
『え、そうなの!?』

あの人七魔牙だったの!?
私よく無事だったな…名乗らなくて正解だったかも。

ランスさんが視線を合わせる。
いつもの無愛想な顔ではあるが、少し心配の色が見える。

「今夜、俺たちは七魔牙の元へいく。
いつまでも後手に回りたくはないからな。
だが、お前たちは絶対に寮から出ないようにしろ。」
『あら、エリートなランス様がそんな悪いことをするなんて、信じられませんね』
「おい、これは冗談じゃないぞ。」
『ええ、わかっています。ですが、私は応援をするだけなので』

初めて出会った日を思い出す。

『ランスくんは、ランスくんの目的のために。でしょ?』
「…ああ、そうだったな。」

あんなことを言っていたくせに、結局こんなに他人(トモダチ)を心配してちゃ世話がない。



『これでも私、最近は実技の点も高くなってきたんですよ? 』
「俺と比べてもまだ言えるか?」
『……。』

天才(化け物)と比べればぐうの音も出ない。

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作品ジャンル:ギャグ
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あいうえお - 続きが…みたい… (4月9日 11時) (レス) id: 7f90ae69cf (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続きお願いします! (4月3日 8時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 新たなるお兄様に早く会いたい…次はどんなキャラクターにするのか楽しみに待ってます!!やっぱりシスコン系かな…?あと77話の最後のほうにグレアって書いてあるのは誤字ですか? (3月14日 22時) (レス) @page35 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
れむぴー+。.??°*(プロフ) - なんですか?これは!!!!神作じゃないですか!!最高です!更新お待ちしております! (3月10日 14時) (レス) id: dc67ab63a0 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - イラストは可愛い ストーリーは面白い 久しぶりに神作に出逢いました。ちゅきです!これからも応援しています! (3月9日 0時) (レス) id: fd38ddb771 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aramaki | 作成日時:2024年2月17日 4時

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