78話 ページ34
［第一局舎 渡り廊下］
大講堂へ向かって歩くウォールバーグの元にレインが姿を現す
「おお、レインか。無事A君は送り届けられたかね？」
「…校長はアレにも目をつけているんですか」
アレに”も”と強調する言葉は恐らく、先程送り届けた少女の他に、現在尋問にかけられている少年にもかかっているのだろう
レインは自他共に対して厳しい性格だが、覚悟をもって目標を実現させようと行動し、努力する者には誠実に向き会うタイプである。
一方で、下劣な行動をとる人間に対してはゴミのような扱いをする極端な性格の持ち主だ。
マッシュのまっすぐな性格にはそこそこ好感があり、ウォールバーグが気にかけているのも分かる。
しかし先ほど案内した女子生徒がそのようなタイプには見えなかった
「マッシュ・バーンデッドほどの覚悟や見込みがあるとは思えませんが」
「いやいや、わしは全ての若者の将来に見込みがあると思っておるぞ。
…まぁ、ちと彼女は面白い価値観を持っておるように見えての。」
「…？」
「時代を変えるにはマッシュの様に先導を切り開く者が必要じゃが、一方でそれだけでは着いていけない弱き者が多く出ることも事実じゃろう。
その場合何が必要になるか…それは知恵と技術じゃ。
才能がなくとも、これらは平等に与えられる。
魔力が少なければ技術で川を作り、力がなければ知恵で大岩を動かせばよい。」
「…」
「この世界では魔法こそが神の存在。
そのせいで圧倒的な魔力を持った者だけが世界を動かしてきた。
しかし彼女は魔法を絶対と思っておらん。
魔法を理屈で理解し、神の存在を否定しようと見える。
それはきっとこの世界の根幹を揺るがすじゃろう。」
「まるで危険因子のような言い方だ…。つまりアレは世界の脅威だと考えているのですか？」
「いやいや、彼女1人にそんな力があるわけないじゃろう。
ただ、彼女の目に映るこの世界はどんな姿をしているのか気になるのじゃ。」
校長は目をキラキラとさせ喋る。まるで新しいおもちゃを見つけた子供のようだ。
しかし、レインにはウォールバーグが話す事の半分も理解できなかった
「彼女についてはここまでじゃ。1番の目的を忘れてはならんぞレイン。」
ウォールバーグとレインは大講堂の前の扉まで来ていた。
中ではどうやら神覚者まで集まっているらしい
「では、カチコミと行くかの」
大講堂の扉が開かれ視線が2人に集まる
・
・
・
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←77話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 698人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいうえお - 続きが…みたい… (4月9日 11時) (
レス) id: 7f90ae69cf (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続きお願いします！ (4月3日 8時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 新たなるお兄様に早く会いたい…次はどんなキャラクターにするのか楽しみに待ってます！！やっぱりシスコン系かな…？あと77話の最後のほうにグレアって書いてあるのは誤字ですか？ (3月14日 22時) (レス) @page35 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
れむぴー+｡.??°*(プロフ) - なんですか？これは！！！！神作じゃないですか！！最高です！更新お待ちしております！ (3月10日 14時) (レス) id: dc67ab63a0 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - イラストは可愛い ストーリーは面白い 久しぶりに神作に出逢いました。ちゅきです！これからも応援しています！ (3月9日 0時) (レス) id: fd38ddb771 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：aramaki | 作成日時：2024年2月17日 4時
