【MASHLE】2 イーストン魔法学校？ホグ〇ーツじゃなくて？

76話 ページ32

「…。」

『…。』


2人になって早々だが私は今すぐ帰りたくてたまらない。
この人マジで何も喋らないじゃん。逆に疲れてくるよ

せめてこの空気感を変えたいAは軽い世間話を切り出した

『あの…同じアドラ寮の先輩なんですよね。良ければお名前を伺ってもよろしいですか？』

「………レイン・エイムズだ。」

『レイン・エイムズさんですね…え？エイムズ？』

聞き慣れたファミリーネームに思わず足が止まる。
エイムズってことはフィン君の親戚？
確かに髪色は似ているが…正直あのフィン君とこの強面さんの顔が似ていると言えない

「なんだ、俺の名前に文句でもあるのか」

『そういうわけでは…もしかして、フィン君の親戚の方ですか？』

キンッ

首元に何か冷たい物が当たる。
急に視界に現れたのは大きな大剣。黄金の煌びやかな装飾が施されている。

…なんでぇ？

「フィン・エイムズがどうした？次の言葉次第では首が飛ぶぞ」

『えっちょ！！、普通にフィン君と交流があるので気になっただけです！！世間話ってご存知ですか！？！？』

わけのわからない問答にパニクリながらも素直に答えると首元に当てられた大剣はパッと消えた

「…そうか。ならさっさとそう言え。フィンは俺の弟だ」

『今さっさと言うタイミングありましたか？』

いきなり人の首を飛ばそうとしておきながら、エイムズ兄は杖を仕舞って先に進んでいく。

はぁ？なんだコイツ。本当にあのフィン君のお兄さんかよ
また殺されかけるのは御免なので、もう話しかけるのは止めよう。

そう考えていると今度はエイムズ兄の方から話しかけてきた

「…フィンと交流があると言ったな。
……その、なんだ…。学校でのフィンはどんな感じだ？」

『…そりゃもう私が知る限り学校内で一番いい子だと思いますよ。
いきなり人に決闘なんて挑まないし、
ビンタでマンドラゴラ沈めないし、
初対面の人にプロポーズなんてしないし、
人形にもしない。
常識的で努力家な子です。』

フィン君はあのカオス空間の常識枠兼ツッコミ担当だ
ガクチカにツッコミって書けるレベルで頑張ってくれてる
しかもとても優しい。正直一番気楽に喋れる相手だ

「そうか…。」

あれ、なんかすっごい嬉しそうにソワソワしてる…。

『学校でお会いすることはないのですか？』

「…俺はアイツが普通に幸せに過ごしていればそれでいい……着いたぞ。」

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