75話 ページ31
「ほっほっほ
君はマッシュ・バーンデッドと接点があったかの?」
『ええ。彼とは仲良くさせてもらってます。ここへ来る時も一緒でした』
「ほぉ、そうであったか。ならば知っておろう。
君からみて今日の尋問をどう考える?」
校長はにこやかな表情のままではあるが、こちらに難しい質問を投げかけてきた
『私はまだ子供ですので、社会的な道理よりも身近な友人の方が大切です。大人の都合なんて理解できませんし、納得もしてません』
「これは申し訳ないの、全くもってその通りじゃ。大人の守ろうとするものなど子供には関係のないもの…じゃが、君の納得できない理由はそれだけかの?」
『……。』
「…校長!ウォールバーグ校長!」
意表を突いた質問に返答できず少しの沈黙が続くと、廊下の曲がり角から青年が現れた。
イーストンの制服を着ている。彼も学生だろうか。
「自分から呼び出しといて迷子にならないでください…誰だお前は。」
こちらに気づいた青年は怪訝な視線を向けてくる。
顔がめちゃくちゃに怖い。視線で人を殺せそうだ。
…てか校長本当に迷子だったんかい。
「これこれレイン。そんな顔をするでない。
彼女はわしの話し相手になってくれたのじゃ。それに君の後輩であろう。」
「…名前と要件」
『A・マドルです。オーター・マドルという方から手紙が届きまして。』
校長が青年に手紙を見せてくれる。
…この人の顔どっかで見たことある気がするな。
「あの家の連中か…
だがアイツは今会議のはずだ。出向いたところで会えるか分からんぞ」
『そうだったんですね。ではまた日を改めます』
よし、居ないのならば仕方ない。
ぺこりと頭を下げて、この場をさっさと離れよう。こんなお堅い場所にいるだけで胃に穴が開きそうだったので帰る口実が見つかって助かった。
「…着いてこい。許可証も持っているなら部屋で待っていて大丈夫だろう。ただ妙な真似はするなよ。」
『(チッ)……ご親切にありがとうございます。お手を煩わせて申し訳ありません』
「ではわしは先に行くとしよう。A君、また君とおしゃべりできるのを楽しみにしておるよ」
『はい。とても貴重な時間でした。失礼致します』
「今度は迷子にならないでください」
「ほっほっ。わかっとる。」
えっ嘘。校長来てくれないの??待ってよこの超怖そうな人と2人にしないでよ。
…なんて言う事もできないので私は素直にズカズカと歩く青年の後についていった。
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あいうえお - 続きが…みたい… (4月9日 11時) (レス) id: 7f90ae69cf (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続きお願いします! (4月3日 8時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 新たなるお兄様に早く会いたい…次はどんなキャラクターにするのか楽しみに待ってます!!やっぱりシスコン系かな…?あと77話の最後のほうにグレアって書いてあるのは誤字ですか? (3月14日 22時) (レス) @page35 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
れむぴー+。.??°*(プロフ) - なんですか?これは!!!!神作じゃないですか!!最高です!更新お待ちしております! (3月10日 14時) (レス) id: dc67ab63a0 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - イラストは可愛い ストーリーは面白い 久しぶりに神作に出逢いました。ちゅきです!これからも応援しています! (3月9日 0時) (レス) id: fd38ddb771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aramaki | 作成日時:2024年2月17日 4時