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74話 ページ30

『(さて…私はどうしたものか。)』

先日送られてきた手紙を取り出す

『”時間があれば来るように”…。無視するのが怖くて来たは良いものの、情報がなさすぎる。』

手紙には名前とこの一文、それと入局許可証だけが入っていた。
この魔法局とやらは随分とデカいようで、どうやってこの人と会えば良いのか分からない
その辺もちゃんと書いといてくれよお兄様

「おや、おぬしは…」

右へ左へウロウロしていると貫禄のある声によって呼び止められる
振り返ってみるとそこには我がイーストン魔法学校の校長、ウォールバーグ・バイガンが立っていた

『こ、校長先生!?ご無沙汰しております…?』

「ほっほっほ、そうかしこまらんでよい。
マドル家の長女じゃな。…して、君は何故ここに来ておるのかの?」

『…あ、えっと…実は、この手紙が送られて来まして。』

校長先生に例の手紙を見せる
校長とは一度だけ編入試験の時の面接で会ったきりだが顔を覚えられていたのか
とても温厚そうな人だが、こうして近くに立つとやはり風格に圧倒されそうになる

「どれどれ……ふむ、随分と無骨な手紙じゃ、これでは迷うのも仕方ないじゃろう。
差出人も随分と不器用な者のようじゃな」

そう言って校長先生は手紙を持って先を歩いていく

『えっ!あの、良ければ方向さえ教えていただければ十分ですよ』

「なに、実はわしも迷子での。待ち人がおるのじゃが、その彼に聞くのが早いじゃろう。
君が良ければついでにこの老いぼれの話し相手になってほしいのじゃ」

『すみません。ありがとうございます…」

粋な計らいなのか、本当に迷子なのか分からないが、私はウォールバーグ校長と共に魔法局を歩きながらおしゃべりをすることになった

「しかし、意外な差出人じゃの。君の家は少々複雑ではなかったかの?」

『流石ですね。先生のご存じのとおりだと思います。私もなぜその方に呼ばれたのか分かりません』

「家族が対話する時間は尊いものじゃ。例えそれが難しい環境であってもな」

編入試験の面接では全くマドル家(そこ)には触れてこなかったが、やはり校長ともなれば家の事情くらい把握しているんだな。もはや驚きもしない。
でも、もうちょいこの世界は情報の管理しっかりしてほしいな。プライバシーの権利って知ってる?

『校長は何故こちらに?』

「ちと、わしのわがままを通してもらいたいことがあっての。いわゆるカチコミじゃ」

『えぇ怖…』

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作品ジャンル:ギャグ
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あいうえお - 続きが…みたい… (4月9日 11時) (レス) id: 7f90ae69cf (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続きお願いします! (4月3日 8時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 新たなるお兄様に早く会いたい…次はどんなキャラクターにするのか楽しみに待ってます!!やっぱりシスコン系かな…?あと77話の最後のほうにグレアって書いてあるのは誤字ですか? (3月14日 22時) (レス) @page35 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
れむぴー+。.??°*(プロフ) - なんですか?これは!!!!神作じゃないですか!!最高です!更新お待ちしております! (3月10日 14時) (レス) id: dc67ab63a0 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - イラストは可愛い ストーリーは面白い 久しぶりに神作に出逢いました。ちゅきです!これからも応援しています! (3月9日 0時) (レス) id: fd38ddb771 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aramaki | 作成日時:2024年2月17日 4時

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