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65話 ページ21

「ああ、でもこれはあくまで提案だ。
君にも断る権利がある。」

…白々しく言っているが、こちらに断る権利なんて初めからないくせに
目の前に揃っているのは学生といえど、私を殺すことなんて容易い魔導士達

アビスさんは先ほどから一瞬たりともコチラから目を逸らさない
言わば”逃がさない”の意思表明そのものだ

しかも私がこの場でやり過ごした後雲隠れしても
実兄のワースさんが向こう側にいるわけで、
家の力を使って行方を暗ますのも難しい

『提案、と言う割にこちらにメリットがあるとは思えませんが?』

少しでもいいから食い下がるしかない
コチラが下手に出たら向こうの思うツボだ

「もちろん協力してくれるのであれば、
レアン寮のトップ層しか受けられない環境を君にも揃えよう
教育に魔道具、希少な魔導書なんてのも君が望むのなら。」

『き、希少な魔導書…!?』

最高の口説き文句に心が揺らぐ。
私の口説き方をよくわかってやがるな…

『ですが、貴方が想像しているほど私に価値があるとは思えません。
あくまで、多少人よりか小細工するのが得意ってだけです
むしろ固有魔法でさえ使えない落ちこぼれですよ』

「わかっているさ。
僕は君の知識を下手に世間へ渡したくないだけ。
それに、君はかなり頭もキレるらしいし、僕のそばへ置いておいて損はないと思うんだ。
君だって、バックにこの僕がついていれば君の父上との揉め事にも多少役立つだろう?」

『!?』

この人本当にどこまで知っているんだ!?
彼も"私の噂"の出所が父親だと見抜いていたのか。

でも、彼との繋がりがあれば父親が求めた名家との伝手にもなる
万が一父親に詰められた時の安心材料になるわけだ
これはもう断る理由がないな

『…わかりました。提案を飲みましょう。
ですが、あんまり期待はしないようにお願いします』

「いい返事が聞けてよかったよ。
そう固くならないでくれ。あくまで僕たちの間に上下関係はない。
利害関係で結ばれた友人とでも思ってくれ。」

『(そんな友人がいてたまるか)』

私はとんでもない人の手を取ってしまったのかもしれない



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作品ジャンル:ギャグ
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あいうえお - 続きが…みたい… (4月9日 11時) (レス) id: 7f90ae69cf (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続きお願いします! (4月3日 8時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 新たなるお兄様に早く会いたい…次はどんなキャラクターにするのか楽しみに待ってます!!やっぱりシスコン系かな…?あと77話の最後のほうにグレアって書いてあるのは誤字ですか? (3月14日 22時) (レス) @page35 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
れむぴー+。.??°*(プロフ) - なんですか?これは!!!!神作じゃないですか!!最高です!更新お待ちしております! (3月10日 14時) (レス) id: dc67ab63a0 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - イラストは可愛い ストーリーは面白い 久しぶりに神作に出逢いました。ちゅきです!これからも応援しています! (3月9日 0時) (レス) id: fd38ddb771 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:aramaki | 作成日時:2024年2月17日 4時

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