【MASHLE】2 イーストン魔法学校？ホグ〇ーツじゃなくて？

64話 ページ20

そうか、あれがみんなの言う級硬貨(コイン)だったのか。
ただの記念品だと思ってた。

…あれ、てことは私コイン狩りの対象じゃん

「ほお…やはり君が持ち主だったんだね」

『ももももちろんコインは渡しますよ
決闘とか絶対に嫌です！！』

「いや、僕が興味あるのは級硬貨(コイン)の方じゃないよ。
君自身だ。」

『…へ？』

予想打にもない言葉に自分の身を抱き寄せる
私の命ってコト…！？それともいやらしい話！？

「…何か失礼な勘違いをしているだろう…。
僕は君の”知識”に興味があるんだ。
学会で発表された内容はどれもただのイチ学生が発見できるようなものではなかった。
まるで”全く違う世界のテクノロジーを持った人間が発見した”みたいなね」

先程までとは違う緊張感が肌をピリつかせる
この人、あまりにも勘が良すぎる。
一体どこまで”理解(わか)”っているんだ

「ワースから聞いた君の戦い方もかなり独特だよね。
普通この国の魔法使いは一つの固有魔法に固執しやすい
２属性の魔法なんてごく稀に2本杖を所持している魔法使いが扱う高等魔法だ

でも君は敢えて複数の基礎魔法でそれを実現している
一見非効率的に見えるが
研究次第では弱者でも強者に対抗できる戦い方だ

しかしその発想自体この国の人間になかったモノ

君は、本当にワースの妹なのかい？
いや、そもそも君はこの国の人間か？」

『えっあ、…ぅあ』

彼から放たれる人離れした雰囲気が余計に圧を強く感じさせる
美しくも冷たい瞳と合わせてしまえば全て吐いてしまいそうだ

「アベル。そんな威圧すんな。
何で疑っているかは知らないがこいつは間違いなく俺の妹だ。
小さい頃の面影も残ってるし、何よりお兄様の勘がそう言ってる。」

「……そうかい。
まあ、君の出自なんてものはどうでもいい。」

『は、はい。』

ナイスだよワースお兄様
威圧の視線から解放され胸を撫で下ろす

彼１８歳だよね？怖すぎない？
おばさんちょっと泣いちゃったよ

「僕は君の知識に可能性を感じている。
君の魔力量は間違いなく弱者だ。
しかし、その戦い方は弱さを知識でカバーしている。
弱者が知恵で強者に勝つ可能性…
つまり自然の摂理に逆らっているわけだ。

もし、君が持つその知識が世間に浸透してしまったら、
それは僕の望む世界から外れてしまう。」

『…つまり、私が持っている知識を全て自分のため使えと？』

65話→←63話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す