【MASHLE】2 イーストン魔法学校？ホグ〇ーツじゃなくて？

58話 ページ14

いや、別に家族が復縁することはいいと思うんだよ？
たださ、こちとら中身が２０歳の他人なわけで

事実初めましての年下ボーイを”兄様”て呼ぶのは流石に…ねぇ
キツくない？

「やっぱり俺を捨てるんだな…」
『いやいや、そういうわけじゃなくて！』

またワースさんが面倒くさいモードに戻りそうだったので、なんとか言い訳を探す

『10年ぶりの、しかもほぼ覚えのない男性をいきなり兄様って呼ぶのは…』
「じゃあ、なんならいいんだよ」
『ワースさんとか』
「「なっ？！」」

真面目な提案をすると今度はワースさんと同時にランスくんまでもが頭を抱えた

「…お前、いくらなんでもそれはないだろう。人の心がないのか？」
「うぅ、ひでぇよ」
『え！？ランスくんもそっち側なんですか！？』

まずい。
ランスくんも”お兄様”だったわ。これはまずい。
でも流石に兄様はなぁ…

『う”〜ん……じゃ、じゃあ、ワース兄さん、で、どう、ですか…？』

うわあああ！き、キツイ…。
私は何を言わされているんだ！？

声がだんだんと小さくなるAと対照的に、ワースは顔を輝かせる

「ああ！今はそれでいい。何か困ったことがあれば兄さんになんでもいえよぉ？」

ポンと頭に手を乗せられ撫でられる。
私さっきまでこの人に殺されかけてたんだけど…

でも、本来であればこの温もりを感じるべきなのは”私”ではない

こちらの世界に来てはや数ヶ月
トラ転さながらの新しい人生に揉まれてきたが私はこの先もこのままなのだろうか

そもそもこの世界は一体なんなのだろう。
私が知っている魔法の世界とはかなり違う気がする
魔法の歴史も、魔法不全者(マグル)の扱いも、何もかもが

今まではただの地域差だと思っていたが、
正直これだけでは押しと通せなくなっている気がする…



『まぁいっか！魔法使えるし！』

シリアス書ける自信ないし！！

・
・
・

ゾワッ

「誰だ！！」

背後からとてつもない悪寒が走った。
ランスくんやワースさんも同様に感じたようで、振り返り杖を構える。

暗い廊下の影からヌルっと何者かが現れた

《ヤァ、ご機嫌いかがかな？若人諸君よ》

つばの広い帽子を被った長身の男が現れた。
英国紳士のような服を身に纏っているが、ボロボロにほつれている

その姿を見たAは何故か前世の記憶から漫画か何かで見た英国の殺人鬼
”切り裂きジャック”の名前が浮かんだ




※原作のランスくんが言っていた”死刑囚の輩”です
敵は完全に作者の妄想です

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