55話 ページ11
「てめぇ、何をした?」
『基礎的な音魔法と力魔法を組み合わせただけです。』
音の振動を上げて、いわば超音波の壁を産んだ
おかげで硬い泥玉は砕け散る
『私はあなたと戦う意志はありません。ただ、友達を探しに来ただけです!』
私の魔法は小細工の幅はあるが、威力は固有魔法には届かない
流石に長時間も相手にすれば100%こちらが負ける
なんとしてでもこれ以上の戦いは避けたい
「俺をおいて、今度はトモダチだと…?」
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[ワース・マドルside]
俺は、あの地獄みたいな家が嫌いだった。
血の滲むような努力をしても、たどり着けない程の高みにいる兄。
いつまでも俺を見てくれない父親
「魔法の才能がある者には価値があり、無い者には価値が無い。」
嫌というほどに聞いた言葉。俺を締め付ける言葉。
幼いながらに、日々の生活に絶望を感じていた。
しかし、ある日俺に妹ができた。
一本線しか持たない”価値が無い”はずの妹。
でも、俺にとって何よりも価値がある存在に見えた。
俺をまっすぐと見てくれる瞳は俺の心を満たしてくれた。
(この子がいる限り、俺は価値がある人間でいられる)
そう思っていた。
なのに、
「マドル家の長女が病で倒れたんだと!」
「噂によれば亡くなったそうじゃないか。」
「幼いのにかわいそうねぇ」
いつの間にか”価値”は俺の手からこぼれ落ちていた
やっぱり無価値な奴は生きる資格がないんだ
その日から、俺は今まで以上に自分の価値を求めた。
(価値のある人間に)
努力して、努力して、努力して、努力して、努力して、努力して、
(価値のある人間に!)
そしてやっと手にいれた”
(この価値は俺が掴み取った本物だ!!)
生きるための資格をやっと手に入れたら
今度はこぼれ落ちたはずの”無価値”が生きていた。
生きていた?
俺を騙していたのか?
俺を裏切っていたのか?
なんで”無価値”が生きてんだよ
ゆるせねぇ。
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あいうえお - 続きが…みたい… (4月9日 11時) (レス) id: 7f90ae69cf (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続きお願いします! (4月3日 8時) (レス) id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむ - 新たなるお兄様に早く会いたい…次はどんなキャラクターにするのか楽しみに待ってます!!やっぱりシスコン系かな…?あと77話の最後のほうにグレアって書いてあるのは誤字ですか? (3月14日 22時) (レス) @page35 id: b02cacdca3 (このIDを非表示/違反報告)
れむぴー+。.??°*(プロフ) - なんですか?これは!!!!神作じゃないですか!!最高です!更新お待ちしております! (3月10日 14時) (レス) id: dc67ab63a0 (このIDを非表示/違反報告)
イヴ(プロフ) - イラストは可愛い ストーリーは面白い 久しぶりに神作に出逢いました。ちゅきです!これからも応援しています! (3月9日 0時) (レス) id: fd38ddb771 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aramaki | 作成日時:2024年2月17日 4時