【MASHLE】イーストン魔法学校？ホグ〇ーツじゃなくて？ (ページ10)

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9話【当たり屋系シスコン】ページ10

「助かった…。まさかおれがペンダントを落とすなんて…。
俺の妹が世話になったな。」

『いえいえ、その写真、妹さんのものだったんですね。
あ、すみません！ペンダントが開いていて。
見るつもりはなかったんですけど…』

「いや、構わない。こちらとしては礼をいうに越したことはない。
…
…
…
…
……ところで、あんたはこの世で一番尊いものはなんだと思う？」

『……はい？』

なんとも微妙な空気が流れた後、急に訳のわからない質問が飛んできた。
もしや私は変質者と絡んでしまったのか？

相手がやばい人間の場合おそらく質問の返し方次第では地雷を踏み抜いてしまいそうだ。
こういう時は、一旦落ち着いてそのままオウム返しをするのがいいんだって
ばあちゃん言ってた気がする。

『え、えーとそうですね。難しい質問ですね…逆にあなたが一番尊いものってなんだと思うんですか？
「俺の妹だ！！！！！！」
ひえっ』

どうやら私は何か触れてはいけない話題に踏み込んでしまったらしい。

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ペンダントのお礼だと言われ先ほどのカフェで紅茶をいただき、
彼の妹さんの尊さについて小一時間聞かされた。

おそらく推しを語りたい類の人間なんだろうが、とんでもない当たり屋だ。
道端でペンダントを拾っただけの人間にここまでハンドル切ってぶつかってくるのは事故だろう。
私は一度も会ったことのないアンナちゃんについてとてつもなく知識がついてしまった。
シスコンもここまで極めると何かの罪に引っかかりそうだ。

「そういえば、まだお互いの名前を知らなかったな。
俺はランス・クラウンだ。」

語る熱がやっとおさまってきたのか小一時間の中で初めてまともな質問が来た。

　『え、ああ。私の名前はA・マドルです。ぜひいつか尊いアンナちゃんに会ってみたいです』

とりあえず当たり障りないように世辞を並べておいた。
まあ、ここまで酷い言いようをしてしまったが親にも、兄たちにも見放されたA・マドルとしては、
ここまで大切に思われているアンナちゃんが羨ましくもある…いやここまで拗らされるのはごめんだな