34話【調合実習】 ページ39
《イ"ヤ"ア"ア"ア"ア"
『”クワイエントス”!』
"ア"ァ"ァァ…ァ…。。》
『ハァ、やっと眠ったぁ…』
私は今、調合室で魔法薬学の課題に取り組んでいる。
今回の課題内容は魔法植物のマンドラゴラを鎮め、調合し、痛み止め薬を作るまでがワンセット。
ちょうどマンドラゴラの叫び声を鎮めたところだ。
『一応耳栓はしておいたけど、意識を飛ばすほどの叫びじゃないよな。見た目もなんか大根みたいだし』
映画で目にしたマンドラゴラはもっと毒々しい色味をしていたが、私が今右手に持っているそれは白くスベスベしている。まぁこれも地域差か。
教科書を見ながら、手際よく調合を進める。
包丁で細かくし、フライパンでいため、そのほかの乾燥した薬草を加えて…完全に手順がクッキングだよな、これ。
『ん?ここの手順を使うなら皮と葉は別にした方がいいな、、、うん、またレポートに書いておこう。』
魔法薬学はかなり難しいがその分奥が深い。
私の一番の推しも真っ黒な姿をした魔法薬学の先生であり、彼曰く、魔法薬の調合とは”微妙な科学と芸術的な技”らしい。本来研究肌な私に取ってはやりがいがある授業だ。
「あれ、調合室。先に誰か使ってるみたいだよ。」
「本当だね。」
「お前たち以外にもまだ課題が終わってないやつがいたとはな…ってAじゃないか!」
1人であれこれ調合していると誰かが入ってきた。扉にはランスくん、フィンくん、マッシュくんの3人が立っている。
『えっ、随分変なメンツですね…。皆さんも課題をやりにこられたんですか?』
「ああ、この劣等生どもに俺が指導してやろうと思ってな。Aもまだ終わってなかったのか?」
『いやぁ、あれこれ調合を試していたら思ったよりも時間がかかってしまって…」
「うわ!!本当だ!すごい数の魔法薬だ!レポートもみっちり書かれてる…ってマッシュくんが気絶した!」
フィンくんが私の完成した調合薬の数に驚き、マッシュくんがレポートをチラッと見た瞬間に白目を剥いて気絶した。
「ふっ、そういうことか。さすが俺の友達のAだな。お前らも見習え。」
「見習うレベルが高すぎるよ。」
『ハハハ…私はちょうどキリよく終わったので先生に提出してきますね』
ついこの間決闘をしていた2人が揃っている場所にいるのは気まずい。私はそそくさと荷物をまとめて部屋を出ようとしたが、
「いや、まて」
『ぐぇっ』
あの日と同じようにランスくんにフードを引っ張られた。
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さんぽ - 絵がとてもかわゆい、、、ありがたや (2月25日 11時) (レス) @page27 id: 5b6dadf86c (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 絵が神ィィ (2月15日 19時) (レス) @page50 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - 迷惑コメント作戦神すぎますw (2月15日 19時) (レス) @page49 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
柏餅(プロフ) - パッフルパフリストラされてるって言うの好きすぎますwwww (2月15日 19時) (レス) @page48 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
左右田湊翔(プロフ) - わぁお絵が上手すぎる、、、、これはめしうまです (2月15日 16時) (レス) @page50 id: a4020dc7dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aramaki | 作成日時:2024年1月29日 20時