【MASHLE】イーストン魔法学校？ホグ〇ーツじゃなくて？ (ページ22)

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21話ページ22

会場にどよめきが走る。
1人の受験者が試験官に楯突いたのだ。
ただで済むはずがない。

皆がそう思った瞬間、貫禄を感じる男性の声が響いた。

《静まれ‼️》

(え、このセリフ…まさか！)

かの偉大なる魔法使いを
彷彿とさせるようなセリフに
Aは胸が高鳴ったが、
残念ながらそれは人違いである。

空を見上げると
いかにも熟練の老魔導士といった雰囲気の
初老の男性が浮かんでいた。

老人はこの学校の校長。
これから最終面接を始めるらしい。

それに付け加えて試験官の男に部屋へ来るようつげる。
男の先ほどまでの荒ぶった様子は嘘のように鎮まり
膝を崩しながら返事をするのみであった。

《では早速、1人目と行こう。》

老人がそういうと同時に、
試験官の杖を握りつぶした少年が
連れて行かれてしまった。

(マッシュくん、なぜか老人に連れ去られるのを
よく見かけるな。
新手のヒロイン属性だろうか…。)

『ってか、最終面接あるの！？
もう合格したとおもってたのに！』

「そりゃあ試験なんだから面接ぐらいあるだろう。

…それより、今校長に連れてかれた奴
本当に試験で他の受験者を優先して動いたのか？
そんな甘っちょろい奴がまだ残っていたとはな。」

『甘っちょろい…というより、自分の力に
相当な自信があったんじゃないでしょうか。
でなければあんなゴールの方法思いつきませんよ。』

迷路であったはずの土壁に目を向け
連なってできた穴を見て思わず
「ひぇ…。」と声がもれた。

・
・
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編入試験が終わった翌日。
面接試験も無事合格し、
Aは晴れてイーストン魔法学校へ入学することができた。

いまは寮室で荷解きをしている。

この寮室は本来、
内部進学の生徒と編入生の
2人で１組になって
部屋を割り振られる。

しかしAがいる部屋には
その相方となる者の姿が見えない。

いや、実のところ部屋に入った時には
先に内部進学の生徒がいたのだ。

そして自己紹介をと名乗った瞬間
幽霊でも見るかのような表情をされ
部屋から逃げられてしまったのである。

おそらく”マドル家の長女(亡くなったはず)”の噂を
知っていた人間だったのだろう。

(クラウンさんに話を聞かされた時は
そこまで大事なことではないと思っていたけど
想像よりも厄介そうだな…。)

ほとんどの荷物を片付け終え、
今後の自分の身の振り方を考えようと思ったその時、

ｺﾝｺﾝｺﾝ

寮室の扉が開けられ、
かわいいリボンが覗き込んだ。