【MASHLE】イーストン魔法学校？ホグ〇ーツじゃなくて？ (ページ11)

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10話ページ11

「マドル…？
あんたマドル家の人間なのか？
てことは…例の長女はあんたのことだったのか。」

『…え？』

例の長女？一体なんのことだろう。
まさか【A・マドル】の存在が噂になっているのか？

全く心当たりのない私の反応に気づいたのか、クラウンさんは説明してくれた。

「あんたは知らないのか…
まぁ本人が知らないのは当たり前だ。

今から10年くらい前、
マドル家の長女は不治病に陥り病状に伏せているという話がでてたんだ。
そしてすぐに死亡の噂が広まった。その噂では父親が苦しむ娘の姿に耐えきれず、、、
みたいな内容だったな。
だが全部噂だった。誰も確証はない中であれこれ尾ひれがついたんだろう。」

『…。』

なるほど。
そういうことか。

完全に推測だがその噂はマドル家当主、いわば｢A・マドル｣の父親が流したものだろう。

自分の娘が出来損ないの一本線であるという事実が広まるより、
死亡したという噂が回る方がいいと考えたか。

だが当時はあくまで根も葉もない噂だったから今更私が生きていたとしても困りはしないということか。

比較的交流が会ったらしい兄2人とも連絡がなくなったのは、その話を信じたと思えば説明がつく。

だが、"今の私"には関係のない噂だ。

『…へー。全然知りませんでした、
そんな噂があったんですねぇ。』

「随分と呑気だな。…まぁ俺は詳しくは聞かないが当時はかなり騒がれていたからな。
今生きているあんたを見たら問い詰めてくるような奴もいると思うぞ。」

『うげっ…。それはめんどくさすぎます。
学校ではあまり身の上の話はしない方が良さそうですね。』

「なんだ、学校ってイーストンのことか？俺も今年から編入するんだ。」

『いーすとん？いえ、私はホグワー◯魔法学校に編入する予定です。』

「ほぐ…？まあ、なんであれあんたとはこれからも顔を合わせる気がする。

だが、入学したら俺は神覚者になるために全力を尽くす。
たとえAでも、神覚者をめざすなら容赦はしない。」

言って代わり、クラウンさんから冷たい視線を感じる。
私はコップに残った紅茶を飲み干し、答えた。

『私は魔法が学べるならなんでもいいので、クラウンさんがシンカクシャになるのは応援しますよ。』

「……ふっ、はははっ。
あんた本当にマドル家らしくないな。」

冷たい視線は一瞬で溶け、
今日初めて彼は笑顔を見せ、そう言った。