【荒北靖友】キミが教えてくれた愛

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___荒北side___




Aチャンの前を歩いていた男は、前に話していたヤツだと嫌でも察する。


あの男に手を引かれて歩く姿が頭から離れなくて、無性にイライラして、いつもはAチャンに会えるから楽しみな授業もサボった。


いつも通りAチャンと話せるようにイライラを収めようと、食堂のいつもの席で待ってると知らない女が話しかけてきた。





『あ、あの…荒北くん！ちょっといいかな？』





誰だこの女？


甘ったるい匂いに上目遣い、めんどくさそうなヤツだと匂いで分かる。





｢…なんか用ォ？｣



『よかったら一緒にお昼食べない？』





なんで知らない女と飯食わないといけないんダヨ…


俺が無視していると、ちょうど金城と紗南チャンが来た。





紗南 ｢やっほ〜！あらき、た…｣





いつものテンションで来た紗南チャンも、いつもと違う状況に気まずそうな顔をする。





『ごめん！今日、荒北くんかりるね？』





そう2人に笑顔で宣言するこの女。


勝手なこと言うこの女にイライラして、ひとりになりたくて 黙って席を立つと俺の後ろをついてくる。


何か言いながら腕を絡めてくる女が鬱陶しくて





｢うっせェ！触んな！ついてくんな！｣





そう言って振り返ったとき、


Aチャンの姿が見えた気がして目線を移動させると


寂しそうで 苦しそうで 傷ついた顔の


Aチャンと目が合った。





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