【荒北靖友】キミが教えてくれた愛

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握られた手に感じる違和感。


もう行かないと決めた場所に向かう足。


私、なにしてるんだろう…





私の前を歩く彼を見て思い出す。


名前を呼ばれるのも


優しく触れる手も


彼の瞳に自分が映るのも


全部 全部 嬉しかった。


1番になれなくてもいいと思ってた。





でも、今は


そんなの全部いらないから


1番になりたい。




そして、


こんな私に1番をくれるのは


今 目の前にいる彼じゃない。


不器用だけど 温かい愛で包んでくれる 靖友くんだ。





私の足が急に止まって振り向く彼。





｢A？どうした？｣





その優しい声も好きだった。


でも、もうおわりにしようよ。





｢ごめんっ…やっぱり今日は帰るね。


あと…もう会うのやめよ、彼女悲しむよ、｣



｢彼女にはバレてないよ？｣



｢私が嫌だから、こうゆうの…｣





黙って私を見つめる彼の表情から気持ちを読むことは出来ない。


沈黙が長く感じて耐えられなくなった私は、


繋がれた手をゆっくり離して





｢っ…ごめんね、バイバイ｣





そう言って、今歩いてきた道を戻った。





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