【荒北靖友】キミが教えてくれた愛

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｢ベプシ買ってくるからちょっと待っててネ｣




靖友くんは黙り込む私を不思議そうに見て買い物に行ってしまった。


靖友くんを見ると こんなことしてる自分に嫌気がさす。



もうこのまま私のこと連れ去ってくれないかな…



自分に都合のいい考えばかり浮かぶ私はやっぱり最低だ。


そんなこと考えてたら、すぐに靖友くんが店から出てきた。


言い訳なんて思い浮かばなくて、正直に言おうと口を開く。




｢靖友くん…ごめん私…今から行くところあって…｣



｢なんか知んないけど男のところ？｣



｢え…？｣




なんで靖友くんが知ってるの？


言った覚えがない私はびっくりして靖友くんを見た。




｢Aチャン見てたら分かるヨ。


苦しそうな顔してっから…｣




その鋭い目で心の奥まで見透かされそうで、私は目を逸らした。




｢詳しいことは分かんないケド、そんな男やめとけヨ｣



｢じゃあ…｣



｢ンダヨ…｣



｢じゃあ、私のこと連れ去ってよ｣




私、なに言ってるんだろう…


沈黙が苦しくて、


冗談だよ って顔を上げようとした瞬間、


靖友くんは私の腕を掴んで 彼の家とは反対に歩き出す。


その瞬間、私の頬には涙が伝った。


さっき突然降ってきた雨が涙を隠してくれると思った。


でも靖友くんが傘をさすから


私の涙は雨に紛れてくれなかった。





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