【荒北靖友】キミが教えてくれた愛

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___荒北side___



通知音が鳴ってAチャンを見ると、また苦しそうな顔をしてた。


空き教室で寝てた時も、


昼飯食ってる時も、


今だってなにがコイツをそんなに苦しめているのか気になった。


Aチャンに聞いても、なんて答えたらいいか分からないような困った顔をする。



普段なら、


普通の女子なら、


何とも思わないのに


なぜかコイツの苦しそうな顔を見ると放っておくことができなかった。




｢このあとさァ、タピオカ飲みに行こうぜ｣



｢…え？タピオカ？タピオカ好きなの？｣



｢いやそんなんじゃないケド…今流行ってんだろ？だから飲んでみたい｣




俺は 優しい言葉とか 慰めとか苦手だけど


今はコイツに寄り添ってあげたい。


Aチャンには笑ってて欲しい。


そう思って誘ってみたら嬉しそうに笑ってくれた。


｢やる気出てきた！｣とか言って笑うコイツが


なんだか愛おしく感じる。



そうやって ずっと


俺の傍で笑っててヨ。


そんな気持ちが芽生え始めた暖かい春の日だった。





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