特別扱い【東堂尽八】

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この人、何者？考えてることが分からない。
渡してくれれば良いものを、アンタも東堂人気流石に分かるでしょうよ。




荒「幼馴染のAチャン。」


「え！？」




じゃあな、と手を振って教室に入る悪魔。もはや悪魔だアイツ。
目付き悪いし、言葉もキツいし。


でも…受け取ってくれなくて良かったと思ってる自分がいる。




死ぬほど単純だ、私。これでまた尽八に会える口実が出来たと思ってる。
一年半の溝を、埋めようとしている私がいるのは事実だ。




鞄に現代文の教科書をしまい、離れた教室に向かおうとする。




荒「あ、ちょっと待ってヨAチャン。」




目付きの悪い彼は私に近付いて、不敵に笑って、何かを察したように見据えてくる。
そしてその細い指で私の首筋をなぞって。


尽八に這われた場所を、追うように。




「…っ、」


荒「学校で女の顔しちゃダメだヨ。あとソレ、剥がれかけてっから付け替えろ、ホラ。」




制服のポケットから絆創膏を出し、昨日指切った時に保健室から余分に貰ったから、と一枚くれた。
心臓には悪いけど、案外優しい人なのかもしれない。




荒「今度こそじゃあネ、Aチャン。」






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