特別扱い【東堂尽八】

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jinpachi .




身を捩らせて聞いたことの無い声を出すAは、俺を拒もうとはしなかった。
彼氏がいるなら、泣きながら大声でも出して突き放してくれれば良いのに。



でもさっき可愛いとか好きとか言っていたあの電話を思い出したらやはり腹が立って。



あんなに俺を好きでいてくれる女子はいるのに、俺は結局Aしか見えていないのだな。
小学生の頃からずっと、純粋にAだけを想ってきた。




変わらないのだ、それは今でもずっと。






「…んっ、あ、」






知らない間にそんな女の顔、する様になったのか。





首筋を這えば、もっとと言わんばかりに声を出す。足を撫でれば反射的に動く。
でも此処は外だ。誰かに見られたらとんでもない。




と言うかそれ以前にAのこの甘い声を、他の奴に聞かせてはならんのだ。





東「彼氏のことをまだ想えるなら拒め、俺は忠告したからな。」





これ以上の手出しはこれが拒まれなかったらいつか、と決めて、俺は忠告した5秒後に顔を近づけた。



拒まないAと重なった唇は、熱を帯びて狂おしいほどに溶けていく。
零れる吐息と絡まった銀色の糸が繋いだ。






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