雨の日のふたり⑤ (ページ36)

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部屋の中に入るとホントに何もなくてチョンさんが言った通りドライヤーとミラースタンドがあった。

髪を乾かしながらくるりと見渡す。

「なにもない・・・(笑)けど、、床はピカピカだしいい香りもする」

高そうなマンションは三人でシェアって
でもチョンさんは二駅向こうに１人暮らし。

「ふふ、、なんかおもしろい人たち、、、(笑)ｸｽ」

JK「どうしたの？何が面白いの？」

「あ、うんん。なんでもないです」

JK「ふぅぅ、、ん。髪乾いた？」

「はい。ありがとうございました」

ブオ～～～～～～～～～ンブォ～～ンン
チョンさんが変な格好で髪を乾かしていて・・・(笑)

「おふたりはチョンさんの事が大好きなんですね(笑)」

JK「え？」

あ、、、

「ごめんなさい、変な事いいましたね」

JK「どうしてそう思うの？」

「床ピカピカだしいい香りがする(笑)チョンさんいないのにお掃除してあるなって」

JK「あ～～、、オレも驚いた。しかもオレお気に入りの香りとかね(笑)」

「かわいくてしかたがないのかな(笑)」

うぇーーーーなんて渋い声を出したチョンさんだったけど表情は優しく微笑んでいた。

さっき思わずチョンさんに抱きついてしまった私にすごく驚いていた。

当たり前なんだけど・・・

離れようとしたけど放してもらえなくて『Aヌナ』って・・・

そう呼ばれて驚いたけどきっとそうなんだよね。

「チョンさん」

JK「ん？」

「私の名前どうして？あの日深夜にもかかわらずビルで会った私に驚きもしなかった・・・」

JK「うん知ってる、、や、知ってたヌナの事。一年前から」

「え、、」

え、、、どういうこと？

「一年前って・・・」

JK「あ、、、うん、なんて言えばいいか、、、ビルでも何度か見かけたし、何度もすれ違ってるし、エレベーターも一緒になったことだって、、、、ある」

知らなかった。

「名前は、、」

JK「ウチの専務の担当だよねヌナ」

ああ、、、

え、じゃあ

「もしかして、、今回の企画って、、」

嫌な予感すらする。

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