おにいちゃんズ！

隠した傷 ページ9

井「その傷を…俺たちには見せたくないよね」



「…皆さんなら大丈夫です」


私はシャツを少し捲りあげた。


腰、脇腹、背中


大量の痣に、全員が顔をしかめる。



「気味悪いですよね、」


井「……辛かったね」




何が起こったか一瞬分からなかった。


井口さんに抱き締められてる？



傷が痛まないように


そっと触れるように優しく背中をさすってくれる。


その手の温かさで


傷なんて一瞬で治ってるんじゃないかと思った。




「お、母さんも、、分かってくれなくて…笑」


新「無理に笑わなくていいよ」


「… っ」


新井さんの声に一気に堪えていた涙が溢れる。




私が泣き止むまで井口さんは背中をさすってくれた。



泣き止むと体を離して、


井「俺たちみんな味方だから。安心して」


と、両手を握って言ってくれた。


なんだか誓いの儀式みたいに、一人一人が私の手を順番に握ってくれる。


「今日は… 泊まってってください」



バカみたいに勢いでお願いしてしまった。


新「うん。今日は一緒にいよう」


常「泣いてたら子供みたいで可愛いじゃねえか。笑」


「泣いてなくても可愛いって言ってくださいよ！！」


常「いつでも可愛いけど」


「………」


勢「自分で言っといて照れてる笑」




なんだか心が温かくなった夜。

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