おにいちゃんズ！

おじさんめまいがする！ ページ15

材料を買い揃えて帰る途中、駅前でよく手作りの物を売っているおばあちゃんがAちゃんに声をかけた。






『あんた、可愛い顔しよるね、ちょっと来てみな』




近寄ったAちゃんの頭にポスン、と手作りの麦わら帽を被せたおばあちゃん。





『うん、よく似合うね』


そう言ってにこりと笑ったおばあちゃん。

俺からは後ろ姿しか見えないけど、麦わら帽が似合うのなんか見なくてもわかる。






『プレゼントだよ、持っていきな』





「えっ、でも商品じゃ、、」





『いいのいいの、こんな可愛いお嬢ちゃんに被ってもらえるなら本望さ笑』







「ありがとうございます！！嬉しいです！」









『ほら、後ろの兄ちゃんにも見せてやりな』







くるっと振り返った彼女は、嬉しそうに





「どうですか？」





と聞いてきた。






そりゃあ世界一似合ってますとも。ぜひ写真に収めて待ち受けにしたいくらい似合ってますとも。







固まってなかなか返事を返さない俺に、ん？と首を傾げて上目遣いで見つめてくる姿はもう国宝。結婚希望。







井「…可愛すぎる。」




「本当ですか？笑」





「おばあちゃん、ありがとうございます！！」







『いいえ〜またいらっしゃいね』









「さ、早く早く！！すき焼きが待ってますよ！」









と俺の腕をとってスタスタ歩き出した少女に









悶えて悶えてめまいさえした夏。

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