病気22 ページ23
荒船side
インターホンを鳴らすと､すぐにドアが開く｡
母「早く入りなさい!洋服まで濡れてるじゃない､こんな冬にこんな格好でいたら…哲次､床濡れるとか気にしなくていいから､このままお風呂場まで運んできて!!」
『おう』
濡れた格好のまま玄関から廊下を通り､風呂場に行く｡
もう風呂が沸かされていて､流石母さんだと思う｡
母「取り敢えずもう服は着せたままでいいから､上からお湯かけて｡急に熱いお湯かけないで､10度ぐらいからゆっくり温度上げて」
母さんが指示したとおりに服の上からお湯をかけ､徐々に温度を上げていく｡
母「用意した母さんの服じゃ入らなそうね…部屋干ししてる服の中にあんたの服があったはずだから持って来なさい｡あとで床拭いとくから」
『分かった』
母「あと申し訳ないんだけど………」
今までテキパキと動き､指示を流れるように出していた母さんが口ごもった｡
『なんだよ､はっきり言ってくんなきゃわかんねぇよ』
母「思春期の息子には大変申し訳ないんだけど､意外にもこの子大きいのよ､身長｡お風呂………手伝って」
『は?』
一瞬､脳が停止した｡
身長が160cmの母｡
身長が170cm超えの横山｡
横山は熱でダウンしているため自力では無理な為､安全を考えるなら必然的にもう一人必要だろう｡だがしかし｡
俺の家族は母さん以外に女性はいない｡
俺か､父さんか､じいちゃんになる｡
父さんは今仕事でいないし､じいちゃんは友人宅に行っている｡
まぁいたとしても断固却下だが｡
『…分かったよ､しゃーねえ｡安全に入れるためなんだろ』
母「ごめん」
『いいって｡着替え持ってくるから､温めてやってて』
俺は居間に行き､乾いている白いパーカーとスウェットを取り､自分の部屋着用の灰色のパーカーとジャージを取って風呂場に戻った｡
母さんの着替えが入っているカゴの隣に置き､服と裾を捲り上げて風呂場に入った｡
俺が支えて母さんが洗う｡その際見ないように目を背けるのが大変だった｡
そして湯船につける｡
頭が沈まないように母さんが支える｡
『はぁ〜…疲れた…』
母「お疲れ様､と言いたいところだけど､湯船から出すの手伝って｡それが終わったらあんたは外出てていいから」
『おう』
横山の顔色が良くなったことにホッとして､余計にため息が出た｡
母「だいぶ顔色良くなったわね｡哲次」
『…タオル巻いてやるとか配慮してやれよ』
母「あんたの事だから見ないでしょ」
最初の遠慮どこいった｡
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
京(プロフ) - 乳癌ですか…。私の知人もなったらしいんですけど辛かったそうです。めっちゃ変わりますけど、荒船かっこよすぎかよぉぉぉぉぉぉぉ！これ読んでるだけでしんどいわ！これからどうなるかですね。気になります！更新再開したら頑張ってください！応援してます！！！ (2018年10月12日 17時) (
レス) id: abb6f0cd00 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - ノアさん» なかなか更新が出来ず､申し訳ないです…荒船さんって格好いいですよね〜!アニメの“くそ生意気なルーキーだ､ぶった斬ってやるぜ”がカッコ良すぎて…!コメントありがとうございました!学生ゆえ更新亀ですが､今後とも宜しくお願いします! (2018年2月19日 17時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 荒船さんかっこいぃぃぃ！更新ずっと待ってます！ (2018年2月9日 16時) (レス) id: 27a11ebcd1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 化け猫＊ミユさん» コメントありがとうございます!荒船さんが結構好きでして…主人公のことが気になっているけど､本人には言わないで主人公の相談に乗る､という荒船さんが書きたかったんです（笑） (2017年10月22日 18時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
化け猫＊ミユ(プロフ) - 荒船さん、めちゃくちゃイケメンやん…… (2017年10月22日 15時) (レス) id: b3656ffd00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユキ | 作成日時：2017年6月11日 20時
