No.35 ページ35
【MASAKI】
相「やめてください…っ…！」
母親の1人が、翔ちゃんの目の前で叫んでる。
まだ体を動かせない翔ちゃんは、つらそうに顔を歪ませた。
熱も40度近いし、声が頭に響き渡ってるんだと思う。
相「櫻井はまだ治っていないんです！
お引き取り下さい！」
俺も声をはりあげるけど、逆上したモンスターペアレントには届かない。
みるみるうちに翔ちゃんの顔色が真っ青になっていく。
櫻「…うっ…ん、」
…頭痛のせいもあって今にも吐いてしまいそうなのに、必死になって我慢してるみたい。
体もカタカタ震えてるし、ここで痙攣を一緒に起こしたら誤嚥してしまいそうで怖い。
どうしよう…。
俺は迷った挙句、翔ちゃんのベッド横にしゃがんで小さく震える手を握った。
意識をこっちに傾けられれば…。
相「翔ちゃん。
分かる…？
相葉ちゃんだよ、翔ちゃん…？」
櫻「……ん…、…ぃば、ちゃ…。」
相「大丈夫、大丈夫だからね…。
俺が、どうにかするから…。」
櫻「……んと…？」
相「うん。
大丈夫。ね？」
櫻「ん…。」
うるうるの大きな目から、1粒だけ涙が零れる。
前、翔ちゃんは自分のせいで双子がいじめられるのはだめって言ってた。
翔ちゃんのせいじゃないって何度も言ったのに、頑として譲らなかった。
きっとまた、責任を感じちゃってるんだ。
櫻「ごめ…、俺…、お、れ…っ…！」
やばいと思った。
今まで俺の方を向いていた丸い瞳が、焦点が合わなくなって漆黒に染まる。
もう、これだけ見てたら嫌でも分かっちゃうんだ。
櫻「…んっ…、ん、ぅ…んっ…！」
まただ。
また、痙攣…。
相「翔ちゃん？
翔ちゃん、分かる？」
声をかけながらナースコールを叩く。
先生が飛び込んでくる。
…デジャブ。
…どこで見たかな、これ…。
いつの間にか驚きで言葉を失ってた母親もろとも外に出される。
こういう人は、自分の立場が危うくなると逃げる傾向にあるのかな。
3人は俺に何も言わず、逃げ帰った。
…ひどい人達だよ。
…翔ちゃんが元気になったら、ちゃーんと謝ってもらわないと。
子供の方が危機感持ってるなんてもう末期だよ。
俺、風間から聞いてるんだからね。
子供の方が、死にそうなくらい青い顔してたって。
うちの翔ちゃん傷つけるなんて俺達が許さないよ。
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智宮SK(プロフ) - (名前)ゆぃ@あらしっくす←さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しい限りです。色々な試練もありますが、暖かく乗り越えていけるようなそうな作品にしていきたいと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月20日 15時) (
レス) id: 5c0a0b0fa2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆぃ@あらしっくす←(プロフ) - 智宮SKさん、いつも更新楽しみにしています！設定も内容もものすごく良くて、本編の方もこちらの方も大好きです。語彙力低くてすみません(笑)これからも更新楽しみにしています！陰ながら応援しています。 (2019年1月20日 0時) (レス) id: 8d153c8151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろしば | 作成日時：2019年1月6日 1時
