No.12 ページ12
【AIBA】
A「大丈夫、大丈夫。
ギュッてしようね。」
ちょっと無理矢理になっちゃうけど、風邪を引くのも可哀想だから…。
サッと体を離して、くるっと小さいからだにタオルを巻き付けた。
そのまま、体が暖かくなるようにぎゅっと抱きしめる。
A「…怖かったね…、智くん…。
もう、大丈夫だから…。」
智「…ぅ…、ふぇ…っ。」
A「大丈夫…。
泣いても、いいんだよ？」
智「っ…、こわ、かったぁ…っ…！」
A「…うん。」
智「さと…、さと、し、じゃうって…。
みんな、あえな…、って…！」
A「うん…。」
智「っふぇ…、うわぁぁん…！」
とうとう声を上げて泣き始めた智くんを、壊れないように、でもできる限り強く抱きしめる。
絶対に離しちゃいけないって、そう思った。
午後2時。
智くんの泣き声も、だんだん小さくなってきた。
…と思うと、今まではなかった重さが俺にかかってくる。
…あれ？寝ちゃったのかな？
そっと顔を覗き込むと、沢山涙のあとが着いた顔。
でも、ちょっとだけ吹っ切れてくれたかな。
寝顔は安心した顔してるように感じる。
ちょっとしたら、翔ちゃんも和也くんを抱っこしたまま戻ってきた。
こっちも寝ちゃったらしい。
翔ちゃんにぴったりくっついてる。
タオルを敷いた椅子に2人を並んで寝かせると、だんだん近づいて最後にはぴったり抱き合って寝てる。
どれくらいしたら起きるかな。
A「…翔ちゃん。」
S「ん…？」
A「どうしたら、水が怖くなくなるかな…。」
S「水の楽しさが、教えられればね…。」
A「…離れなければよかった。」
S「…お前のせいだけじゃないよ。
目を離した俺も同罪だよ…。」
A「…俺らがやっちゃったなら、俺らが恐怖心を取り除いてあげるべきだよね。」
S「…うん。そうだな。」
A「…晴れないかなあ…。」
生憎、天気は回復してなくて。
今もどんよりした空がこっちを見てる。
…太陽が、出てくれたら。
ちょっとの間でもいいのに。
…お願いします。
太陽の光…、ちょっとだけでもいいから分けてください…！
俺が2人に、水の楽しさを教えてあげなきゃ。
怖いところももちろんあるけど、楽しいとこだってあるんだよって事、教えてあげなきゃ。
だから神様。
俺たちに、ちょっとでいいから太陽の光を分けてください…！
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智宮SK(プロフ) - (名前)ゆぃ@あらしっくす←さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、嬉しい限りです。色々な試練もありますが、暖かく乗り越えていけるようなそうな作品にしていきたいと考えております。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月20日 15時) (
レス) id: 5c0a0b0fa2 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ゆぃ@あらしっくす←(プロフ) - 智宮SKさん、いつも更新楽しみにしています！設定も内容もものすごく良くて、本編の方もこちらの方も大好きです。語彙力低くてすみません(笑)これからも更新楽しみにしています！陰ながら応援しています。 (2019年1月20日 0時) (レス) id: 8d153c8151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろしば | 作成日時：2019年1月6日 1時
