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「ジェイド、今日出す新作メニューはどうなっていますか？」
「滞りなく進んでいますよ。アズール」
「なーんでこんなに忙しい〜の〜？」
「たく…昨日話したでしょう。今日は新作のコースメニューがスタートします、それに合わせてお前がばら撒きしていただろう」
「フフッ…文字通り“ばら撒き”でしたけどね」
「あはっ、たのしかったよー？金魚ちゃんがこーんなに顔真っ赤にさせてさぁ〜」
ケラケラと笑うフロイドを睨みつけるアズール。そんな二人を見て微笑ましくしているジェイド、ここはオクタヴィネル寮海の魔女の慈悲の精神に基づく寮だ。
まるで海深海を思わせるこのラウンジは、この学園に通うものならば誰しもが一度は訪れ、そしてその慈悲の精神に縋りついただろう。
「さぁ、皆さん！いいですか、今日はとても重要な日です。集客を怠らず来てくださったお客様に十分に楽しんでもらうように」
その掛け声で忙しい一日が始まった。
「ジェイドさん」
「それは向こうのテーブルへ」
「はい！」
「フロイドさん！」
「なぁ〜に」
「向こうに手のつけられない客が」
「あはっ楽しそう〜♡」
アズールの思惑通り、新しいメニューは大好評だ。賑やかなラウンジは活気を見せている。どの客も楽しそうにその時間を、この寮のルールに則って楽しんでいる。
「おや？」
ジェイドは、そんな中一人ポツンと腰掛ける人物を見つけた。見たことのない顔だ、綺麗な顔はしているがどこの寮だろうか。不思議に思い近づくと声をかける前にその人物が振り返った。
「ようこそ、モストロ・ラウンジへ」
「…」
「お客様今日はお一人で？」
「…」
「そうですか。なに、気になさらないで下さいね。お客様はいつでも大歓迎ですから」
にこりと笑うジェイドがその人物と目が合う。顔を除けばまるで女のように可愛らしい顔をしている、そしてその瞳はなにかを抱え込み、深い深い深海の底のような瞳をしていた。
「おや？もしかすると、アズールに御用ですか？」
「…アズール？」
「ええ、慈悲の精神にもとづく彼にご相談でしょう？」
その言葉を聞き何かを決心したように、その男は頷いた。さぁ、迷える小魚に一筋の光を与えようではないか。
「さぁ、こちらへ」
差し出した手を素直に取る男。可憐なその手は少し力を入れれば貝のように壊れてしまう、きっと双子の傍なら壊していたかもしれない。
続く (更新停止中)
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ラム - 分かりました更新頑張ってください応援してます (2021年4月15日 17時) (
レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
まいく(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます。残念ながら画力が無くイラスト化する事が出来ないです: :すみません (2021年1月13日 2時) (レス) id: af86ca4274 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2020年11月24日 14時) (レス) id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいく | 作成日時：2020年10月4日 15時
