▼お見通し ページ34
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先程の可愛らしい笑顔とは
打って変わって
妖艶な笑みを見せる彼。
A「っはい//
..シンプルですけど、でも凄く繊細で
作った方の気持ちが、よく見える
素敵な指輪ですね。」
「..へぇ。君、アクセサリー好きなんだ？」
A「ぇ、あ..はいっ。
すみません、でも知識とかは全然無くて。」
「ううん、僕の気持ち、
分かってくれたんだなーって。嬉しい。」
ところでさー、と続ける彼。
「その左手の小指のリングは
あの４人の誰からもらったの？」
A「..えと..って、...え...？」
びくっと
一瞬、肩が揺れた。
なんで、知ってるんだろう。
「..くっくっ、君、面白いね。
今、僕のこと怪しい人だと思ったでしょ。
大丈夫、何もしないよ。」
そう言って、手の甲で口元を押さえながらも
楽しそうに笑う彼を見て
少しだけ安堵した。
「いやさ、さっき此処に来る前に
すれ違ったんだよ。
そのぬいぐるみの大きさ的に..射的、に向かう時かな。
随分と綺麗な子だなと思ってさ。」
A「び、..びっくりしました。
本当に怪しい人かと//
それに、綺麗とか、そんなんじゃないです。」
「..そ？僕は綺麗だと思うけど。
でー、僕が思うにはー
あの、背の高い方の黒髪の人！」
彼のその一言で
ぶわっと顔が赤くなるのが
自分でも分かった。
「あ。あたり？」
A「..っっ///」
「あははっ、顔真っ赤！
可愛いなぁ、..まだ付き合ってないんだ？」
まさか、今日初めて会う人にまで
私の気持ちを悟られるとは
思ってもいなかったから。
私って、そんなにわかりやすいのかなと
ちょっと落ち込む。
A「まだ..というか。
先輩と付き合うなんて、私には夢のような話で。」
「でも、好きなんだよね？」
A「は、はい...///
..って、こんな話、すみません。
今日初めてお会いしたのに。」
「全然いいよ。
正直、他人だから話せるってこともあるしね。」
そっかそっかー、と少し目線を落としながら
黒猫と対になっていたリングを
専用のクロスで優しく撫でる彼。
そして、後ろから小さな箱を取り
丁寧に、それらを中に入れた。
「はい！」
ずいっ、と目の前に差し出されたのは
先程まで、私がその始終を見ていた
小さな黒い箱
.
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作者名：R. | 作成日時：2016年7月12日 14時
