▼私に出来ること ページ31
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角度を変えると、キラキラと光る先端の花
先輩にもらった、という事実が嬉しくて
思わず、空に手をかざしてみたりして。
黒尾「気に入った？」
A「はい、ありがとうございます。
..指輪も、ぬいぐるみも。大切にします。」
嬉しさのあまり、緩みきった笑顔で答えてしまったけど
そんな私の言葉にも
そっか、と
どこか満足そうな笑みで返してくれる先輩を
心底、愛しいと思った。
赤葦「黒尾さん、すみません。
そろそろ木兎さんを迎えに行こうかと思うんですが。」
黒尾「おー、そうだな。
あいつ、まーだ戻って来てねーとか..。」
月島「..ふ、また1個も取れないで苦戦してるんじゃないんですか。」
そんなやり取りをしつつも
京治の計らいで、木兎先輩を迎えに行くことになった。
元来た道を、少しずつ戻り始める。
隣には、黒尾先輩。
前には京治と月島くん。
そんな姿を眺めていたら
『私はみんなに何にも返せてないなぁ。』
と、ふと思った。
みんなは、私に良くしてくれるし
ほんとに今日は、たくさんもらってばかりだ。
私も、みんなに何かお礼がしたくて
私に出来ることはないか探していると
前方での２人の会話が少し聞こえてきた。
月島「..やっぱり今日暑いですよね。」
赤葦「月島、大丈夫？
のど乾いたら言って。」
A「...!!」
私にも出来ることがあった！
そう思った私は
A「私！ちょっと飲み物買ってこようかな！
みんな先に木兎先輩のところに行ってて!
すぐ戻りますっ！」
とだけ言葉を残し、射的屋さんの並びに
飲み物があったことを思い出し
目的の場所に駆け出した。
黒尾「..っ!おい、A!!」
少し離れた所で、黒尾先輩に呼ばれた気がして
来た道を振り返る。
気のせいかな。
とうとう先輩の声まで聞こえるようになってしまったのかと
少しだけ自嘲した。
――――――――――――――――――――…
月島「今日、人凄いですよね。
此処、結構広いですし。」
黒尾「..あぁ、俺、ちょっと探しに行ってくるから。
先、木兎んトコ「黒尾さん」」
その時
いつもより、少し大きな赤葦の声が響いた。
赤葦「俺が、探しに行きます。」
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作者名：R. | 作成日時：2016年7月12日 14時
