▼叶えたい願い ページ30
.
A「..指輪。」
黒尾「そ、Aそーゆーの好きだろ？
制服ん時とか、何回か違うネックレスしてんの見たことある。」
A「...。」
黒尾「..あー。..つっても、本当におもちゃのだから、
いらなかったら..「ありがとうございます!」」
たとえ、おもちゃの指輪でも
まさか大好きな先輩から
こんなに可愛らしいプレゼントをもらえるとは
思っていなかったから。
それに、制服の時の姿まで
見ててくれてるとは思わなかった。
嬉しすぎて、大きな声でお礼を言ってしまい
案の定、先輩も少し驚いた様子でこちら側を見ていた。
A「..ご、ごめんなさい//
嬉しくて、大きい声出しちゃいました..。」
黒尾「ぶっ..くくっ。
いや、良かった。気に入ってくれて。」
A「はい..すごく可愛いです//
..あ、これ子供サイズかな。
ピンキーリングでちょうど良さそう..。」
そう言った私に先輩は
「どっちの指にする？」と
柔らかな表情で聞いてきた。
A「..じゃあ、左手の小指に付けます。」
黒尾「ん、手によってなんか意味あったよな、確か。」
A「!?と、特に無いですよ！
右手は利き手だから、傷とかついちゃったら嫌だなと思って。」
私の言葉に
そうだっけ、と自然に私の左手をとり
優しく、小指に指輪をはめてくれる先輩
A「...せ、せ先輩///」
黒尾「なーに、緊張してんの？
...っつか、顔真っ赤、かーわい。」
A「..ッ..!?//」
ドキドキする。
先輩の手、あったかい。
私の手から伝わる熱も
きっと、先輩の手まで届いてる。
恥ずかしくなって
目をぎゅっと瞑ると
ほら、と耳元で低い声が響いた。
ゆっくりと、瞳を開ける。
A「..わ、やっぱり可愛い。
先輩、ありがとうございます!」
黒尾「やっぱ、そーゆー華奢なデザインは
Aに似合うな。」
そう言い、先輩はいつもの様にニッと笑った。
私は、アクセサリーをよくする方で、
集めるのも結構好き。
初めて、お店でピンキーリングを買った時
店員さんに
「叶えたい願いがある時は、左の小指に付けるといいんですよ。」
と、親切に教えてもらった。
私の、『どうしても叶えたい願い。』
だから、私は
左手の小指を選んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：R. | 作成日時：2016年7月12日 14時
