▼次の約束 ページ23
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赤葦「A、どうかした?
なんか顔、赤いけど。」
A「だ、大丈夫!今日、いつもより暑いなって」
赤葦「..本当に?」
A「本当に!心配かけてごめんね、京治。」
いいよって言いながら
頭を軽く撫でてくれる京治
私の知ってる、落ち着く手
京治は変化に敏感で
些細なこともすぐに見破ってしまう
でも私を信じてくれたってことは
私も少しは成長したのかな、なんて思った。
そんな中、金魚掬いを終えた木兎先輩は
木兎「あかーしぃ、俺腹減った。
肉!!肉食おうぜー!」
赤葦「はいはい、肉ならさっき買って来てますから。
黒尾さんも、食べたいのあったら言ってくださいね、
俺とりますから。」
黒尾「おー、サンキュー。
さっすが気が利くなー。
おい、木兎!お前、赤葦ばっかにやらせんな!」
赤葦「..大丈夫です、もう慣れましたから。」
そんなやり取りの中
さっそくお肉を頬張る木兎先輩を横目に
みんなも好きなものを手に取り、食べ始めた。
赤葦「月島は..クレープか。
Aもちゃんとご飯食べること。」
そう言って
定番のたこ焼きやら、焼きそばやらを
袋から出し始める京治。
A「京治、お母さんみたい。」
そう言い、私がクスクス笑っていると
こら、と軽く額をつつかれ
「あとでりんご飴買うんでしょ?」と
笑顔で返された。
やっぱり、京治には何でもお見通しだ。
全員が軽くご飯を済ませた後
さっきまで、木兎先輩と話していた黒尾先輩が
こちらに向かって歩いてきた。
黒尾「A。金魚、ごめんな。
あんな自身満々に言っといて
とり過ぎたからって全部没収されるとは
さすがに思わなかった。」
そう言いながら、少し申し訳なさそうに話し出す先輩
A「ふふっ、でも黒尾先輩、
ちゃんと私が欲しいって言った金魚
掬ってくれました!
..すごく嬉しかったです。」
黒尾「そっか、なら良かった。
じゃ次は絶対欲しいのとってやるから、
待ってて。」
ポンッ、と軽く私の頭の上に手を置き
優しい笑みを浮かべる黒尾先輩
A「//は、はいっ。」
私が欲しいと言った金魚だけでも充分なのに
いつも、自然と次の約束をくれる。
顔は熱くなるばかりだし
あぁ、このままだと本当に
心臓が壊れそう。
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作者名:R. | 作成日時:2016年7月12日 14時