Aquarium(2)

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side:Takahiro






都会の大通り
高そうな車に乗って通り過ぎる景色に目をやる






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俺の隣で運転してくれてる猫男
後ろで寝ている秀太と宇野ちゃん









さっきから何も話さないし気まずいなって








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隆「...あの、」



光「...何？気まずかった？(笑)」









待ってましたと言わんばかりに
にっこりと俺に笑いかける猫男






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隆「日高さんは...」



光「日高でいいよ、あとタメ口ね」









あれ、こいつ
意外と付き合いやすいタイプかもしれない






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隆「...日高はAと仲良いの？」



光「それ聞いちゃう？(笑)」







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光「...実はデキてんだよね」



隆「は？」






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光「嘘だよ、普通に友達(笑)」







ケラケラとからかうみたいに








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隆「...驚かせんなよ(笑)」



光「悪かったよ(笑)」







たぶん、こいつは
悪い奴じゃない








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隆「何で仲良くなったの？」



光「まぁ、歳近いし...同じ家にいればね？」



隆「...同じ家」



光「俺、泊まり込みの使用人だから」



隆「...與ってやっぱり金持ちなんだな」









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光「世界レベルの企業グループの社長一家だからね」









光「今の会社の社長は真司郎のお父さん」



光「その息子は副社長ってわけ」






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だからあの若さで副社長
やっと一つ、繋がった






要は跡取り息子ってことか








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光「...何で、Aと会った？」








終始笑顔だった猫男が
いきなりド真剣な顔をして








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隆「たまたま仕事で会ったんだよ」



光「...まじ？」



隆「そう、俺も本当に驚いた」









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光「...真司郎にバレてるのか」






そう言った日高の顔は
真っ暗で何も読み取れなくて








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光「...悪いことは言わない」



光「もうAには会わない方が良い」







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隆「...何で？」



光「何が何でも、とにかく会うな」







冗談なんかじゃない、本気の目
身震いするような気迫








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“会うな”なんて
普通じゃない






どうして、Aを取り巻く環境は
こんなにも違和感しかないんだろう







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