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委員会決めは教室内の自分の立ち位置を最初に見せつけてくる残酷な儀式だ。
部活で忙しいから無理、と言える子や、文化祭実行委員、体育祭実行委員に立候補する子はクラスの中心の子。
生徒会だからできませんって顔してる子は、特権階級。
ぼーっとしていたらいつの間にか面倒な委員会を押し付けられている子は、クラスの中の雑草。
当たり前に私はその雑草枠だ。
黒板に自分の名前を書きながら、どうしてこんなことになっちゃうんだろう、と頭を抱えるのは毎年恒例。
憂鬱な気持ちで第一回委員会に参加するのもお約束だ。
「足速いから体育祭実行委員やってよって言われてさ」
多分龍斗くんは特例パターンだ。
皆から愛情の眼差しを受け、何らかの行事の中心になってほしいと願われているのだ。
そういう子は、今までのクラスにもいた。
常に周りに誰かがいて、自分からアピールしなくても、そこが中心になる子。
しかし、龍斗くんはその愛に気付いていない。
「良いじゃん、花形行事の委員。龍斗くん似合いそう」
「でも、体育祭とかやったことないし、よくわかんないし……Aちゃんは何委員なの？」
「林間学校委員会。ほら、5月に男子部と女子部の合同で静岡の山に行くでしょ？それの委員会」
スクールバッグから全校生徒お揃いの生徒用スケジュール帳を出し、ゴールデンウィークの最後の方の三日間を指さす。
淡いブルーで縁取られ、「高等部1年 林間学校」と記されている三つの四角。
青は私たちの学年の色。
龍斗くんは私の小さな爪の先を見ると「ふうん」と唸った。
高等部一年生の林間学校は、地味な行事としてひっそりと有名だった。
中一のバーベキュー遠足や、中二の職場体験、中三の京都奈良修学旅行、高二のテキサス州修学旅行と比べると、いかに低予算で力が入っていないかが分かる。
やることも山登りと林業体験くらいしかない。
委員会の仕事も雑用だけ。
だから地味な私には丁度良い委員会なのだ。
一か月程度で仕事が全て終わってしまうのだけは魅力的。
5月頭まで耐えればその後の10か月は何も気にせずに過ごせる。
「リンカンガッコーって何するの？」
「山登りとか、飯盒炊爨とか。あとキャンプファイヤーもやるかな」
「キャンプファイヤーって、火を囲むやつ？」
「そう、それ」
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れお(プロフ) - 陽依さん» コメント有難うございます。そんな風に言っていただけて、本当に嬉しいです。ゆっくりですが更新していきますので宜しくお願い致します。 (2021年8月4日 0時) (
レス) id: 8293f3a179 (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - ほんとにこのお話大好きです！なんでとかはうまく言えないんですけど…これからも楽しみにしています！ (2021年8月2日 22時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れお | 作者ホームページ：https://peing.net/ja/reosndy
作成日時：2021年6月26日 21時
