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「二人とも、全然食べてない。どうして？」
猫のような瞳が私と優斗くんを捕らえる。
龍斗くんの目は大きいのに涼しげな印象で、好奇心と不安が入り混じったような色をしていた。
優斗くんの丸い目とは違う。
私にとって、龍斗くんは多分メデューサだ。
見つめられただけで、石にされてしまい、固まってしまう。何も出来なくなってしまう。
「別に何でもないよ。ちょっとだけ、食欲なくってさ」
一方で、優斗くんは笑顔を作って龍斗くんに返事をしていた。
軽やかで元気そうな声が耳を通り抜ける。
朝はあんなに複雑そうな物言いだったのに、本人の前ではいつも通り、社交的な態度を見せていた。
数ミリの違和感。
いつもの、あの生々しく、けれども清い心の内が見えてこない。
本当の心が全く見えてこない。
その姿は、本心を隠しているように見えて仕方がなかった。
「それより、えーと、作間って今何歳なの？」
何かを探すように目線をあちこちにやりながら優斗くんは言葉を続けた。
どうやら優斗くんは、龍斗くんを何て呼ぶか1秒だけ考えた後、「作間」が採用されたらしい。
まるでクラスの友達を呼ぶような言い方からは、優斗くんの社交性の高さがうかがえると同時に、龍斗くんのことを家族としては見られていないと表れているようで、私は不思議と少しだけ安心した。
優斗くんが細部に宿した「まだ俺はこの状況を受け入れられていないんだ」というサイン。
ようやく、本心の断片を掴めたような気がした。
「14歳」
「じゅう、よんさい？ 中2？ 俺と三つ違い？Aよりも年下ってこと？」
まるで漫画のキャラクターのように眼をまん丸くする優斗くん。
きっと今の私も優斗くんと似たような表情をしていることだろう。
すらっと伸びた四肢に、大人っぽい表情。
龍斗くんは言われなければ17歳の優斗くんと同い年、あるいはそれよりも年上に見える容姿をしている。
少なくとも、私と同い年か、それより年下には見えない。
でも、実際には14歳、つまり、私よりも一つ、優斗くんよりも三つも年下、らしい。
父が、「20年前に作られたクローン胚」と言っていたから、てっきり母体から出産されたのもその頃だと思っていたのだが、どうやらそれは間違いだったらしい。
しかし、私はその事実を簡単には受け止められず、またもや優斗くんと龍斗くんのどんどん進んでいく会話についていけなくなった。
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れお(プロフ) - 陽依さん» コメント有難うございます。そんな風に言っていただけて、本当に嬉しいです。ゆっくりですが更新していきますので宜しくお願い致します。 (2021年8月4日 0時) (
レス) id: 8293f3a179 (このIDを非表示/違反報告)
陽依(プロフ) - ほんとにこのお話大好きです！なんでとかはうまく言えないんですけど…これからも楽しみにしています！ (2021年8月2日 22時) (レス) id: 5f72745e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れお | 作者ホームページ：https://peing.net/ja/reosndy
作成日時：2021年6月26日 21時
