検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:8,081 hit

001/通じてしまった願い ページ1

.




「もし、もう一度やり直せたらなあ」


灼眼の少年は思わず洩れた心残りに自ら苦笑した。

少年のたったひとつの願いは、砕けてしまった大切な人たちの命のこと。

勿論、全てが己所為ではない。
負い目を感じることではない。
自分とてそれは理解している。

だけども。

指では数えきれない、たくさんの命が掬いきれずに溢れていった。
もし、もう少しだけでも強ければ何かが変わったかも知れない。

無意識にそう考える少年。
同じく無意識に“知っている”知らない筈の誰かへの言葉が溢れる。


「俺には救えなかったんだ。俺の代わりに救ってくれないか」


溢れた言葉に少年自身も驚いて。そんな事をさせてはいけないと気づく。
大切な人を失う悲しみは、もう誰も味わって欲しくないと。

少年は頭を振って、下ろしていた腰を上げた。

そう、この願いは、届くことなど無い筈だった。

けれど、届いてしまった。





灼眼の乙女に。

002/暖かな家族→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
69人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

廣岡唯 - 面白い続きが観たい…頑張れよ (2022年11月5日 12時) (レス) @page5 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Rin華 | 作成日時:2022年8月9日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。