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夜の街をひとりで散歩するのが好きだ。
別に家に居場所がないとかじゃない。昼の忙しさをなくした夜の街は日常なのにどこか普段と違う雰囲気を持っていて心が落ち着いた。
橋の上に立ち、手すりにもたれて、月を眺めていたら後ろからぽんぽんと優しく肩を叩かれた。
「君、高校生?1人?」
「俺たちと一緒に遊ぼうぜ」
振り向くと柄の悪い若い男が2人。ニヤニヤしながら話しかけてきたのを無視して歩き出そうとすると「おい、無視すんなって」と咄嗟に腕を掴まれた。そう簡単には振り解けず、男Aを睨みつける。
「ずっとここいるじゃねぇか、声掛けてもらうの待ってたんだろ?」
「カラオケすぐそこあるし、一緒に歌おうぜ」
『しつけーんだよ』
掴まれた腕の手の平を下にして両手を使って男Aの手から引き抜いた。簡単に手を離されて驚いた男Aに隙ができた所で腹に一発思いっきり蹴りを入れると、尻餅をついた。
「てめぇ、なにしてくれんだよ!!」
尻餅をついた男Aは怒声をあげ、怒りを露わにしたもう別の男Bが容赦なく私に向かって拳を振り下ろした。
しかし、男Bの拳はわたしのもとには届かずで、いつの間に現れた学ランを着崩した男子高校生に受け止められていた。男子高校生は思いっきり頭突きをお見舞いすると、男Bは痛みに顔を歪ませて後ろによろめいた。
「お前ら、女相手にだせえんだよ」
「クソ野郎が、覚えてろよ」
若い男2人は敵わないと判断したのか足元をよろつかせながら捨て台詞を残して去っていった。
「人数は少なくても相手は男だ。あんな風に喧嘩売るのは危ねえよ」
彼は私の方を見ながら落ち着いた態度で話したあと、それ以上は何も話すことはせず、どこかへ行ってしまった。
01.始まりの始まり
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はる - マジすか学園5が好きだったので、この上ない最高のコラボで嬉しいです!続き楽しみにしてます。 (2019年1月19日 19時) (レス) id: 9c6b3425c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:s | 作成日時:2018年12月31日 18時