偽りの仮面を被り続けて3【進撃の巨人】

本編69 ページ1

『着いた……』



やっと、やっと私はマーレへ帰ってこれた



何年ぶりだろうか…



感傷に浸っているとジャンに肩を叩かれた



「A、行くぞ」


『あぁ、うん』



エルディアとは違い人が溢れ返っていた



馬ではなく、車が走っていた


右に目を向けるとアイスクリーム屋が出ていた


サシャ、コニー、ジャンの三人は既にアイスを手に持っていた



アイスクリームは見たことがあったが、食べたことはなかった



サシャにも是非、買った方が良いと力説され、事前にもらっていた小遣いをアイスクリーム屋に渡す



真っ白なアイスがコーンの上にちょこんと乗っている




暫く観察していると、隣から涎を啜る音が聞こえたのでアイスを一口齧る




口内がひんやりと冷え、乳の強い味と甘さが舌の上にじんわりと広がる



アイス自体は口に含むなり溶けてしまった



『これ、美味しいね』



「そうですよね！もう一つ買おうか悩みます…」



「俺はあの店の食いもんを買ってくるぜ！」


コニーが慌ただしく駆けて行く



「そんなに離れないでよ！」


ハンジさんの注意も右から左でコニーに着いて行ったサシャの後ろ姿を見送った



二人の背中を見つめていると全然顔が似ていないのにも関わらず、兄妹のように見える



一応、敵地であるはずなのにあの浮かれっぷりはどうかと思うが…

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