繰り返したくない ページ2
もう何度目の転校だろうか。毎年この季節は転校している。
(中学生最後の時間は此処で過ごすんだよね。今度こそ周りと打ち解けられたら良いな…。)
私は生まれつき耳が聞こえない。でも、相手の口の動きで何を言っているのかは分かる。
それでも耳が聞こえないからってよくいじめられた。
(耳が聞こえなくても何を言っているかくらい分かるのにな…。もう繰り返したくない…。今度こそ、ちゃんと仲良くなれますように…。)
心の中でそう祈りながら先生に続いて教室に入った。クラスメイトになる子達が私の方を見た。
(この視線だけはやっぱり慣れないな。)
先生に指示をされ、私はオレンジのバンダナをした男の子の横の席に座った。前の席にはゴーグルをした男の子、後ろの毛には白い逆立った髪をしている男の子が座っていた。
休み時間になると、オレンジのバンダナをした子が話しかけてくれた。
｢俺、円堂守って言うんだ！よろしくな！サッカー部のキャプテンなんだ！｣
私はノートに文字を書いてマモル君に見せた。私が話そうとしなくてもマモル君は嫌な顔をせず明るい笑顔で話をしてくれた。
(…この人凄く良い人だ。)
ゴーグルをした子はキドウユウト君、白い逆立った髪をしている子はゴウエンジシュウヤ君と言うらしい。2人ともマモル君と同じでサッカー部に所属している事も教えてくれた。
｢お前サッカー好きか？良かったら放課後練習見に来てくれよ！｣
(私なんかを誘ってくれるなんて！凄く嬉しい！！放課後楽しみだな♪)
マモル君のお誘いがとても嬉しくて私は放課後までずっとルンルン気分だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りぃこ - なんだこの優しい世界｡｡。 ストーリーにも泣けたけどコメ欄にも泣けた。 いい人にもいい作品にも出会えた。 もう悔いることは何もない。しばらくこの余韻に浸っていよう。 (2020年8月7日 3時) (
レス) id: 93f58bce86 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - でも、体には気をつけて頑張って下さい！こんな事しか書けなくてすみません。でも書かせて下さい！これからもずっと応援しています！！ (2020年6月29日 20時) (レス) id: 8805bfa010 (このIDを非表示/違反報告)
かなり - この小説を作ってくれてありがとうござます！！私も聴覚の障害はないのですが、この小説を読んでいると障害を持っている人達の気持ちが分かってとても感謝しています！！このご時世いろいろ大変だと思います！ (2020年6月29日 20時) (レス) id: 8805bfa010 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちー - 一緒に頑張りましょう！ (2020年6月28日 4時) (レス) id: 181c5fcd33 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっちー - でも、今でも同年代の男の子を見ると、私の事を噂しているのではないかと、思ったりしています。後、私は、アスペルガー症候群という自閉症です。なのでヒトについてよく分かりません。この苦しみは理解されることはないと思います。 (2020年6月28日 4時) (レス) id: 181c5fcd33 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彼岸ノ撫子 | 作成日時：2020年6月4日 12時
