罰ゲームなのに ページ10
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急展開だ。何もかも突然だ。
昼休みの教室の一角、女の子たちで何気なく始まった王様ゲーム。
ギャハハと変な笑い声を上げながら、王様が決まっては命令してを繰り返す。
「三番、誰かに嘘告してこい！」
そんな命令に、割り箸を持つ私の手は震えた。
ひっくり返してみたってどうして見たって、私の手の中にある割り箸には「３」の文字が踊っているのだった。
「……誰にやればええんや」
肩を竦めた私に、王様はうーんと首をかしげた。
それから教室をサッと見回したかと思うと、その視線は金髪に吸い込まれた。
輪の外で面白そうに私たちのゲームを観戦していた侑くんだ。
「おーちょうどええ、侑くんこっちきてーや、今からAが告るから」
王様ちゃんは侑くんの腕を引いて、女子の輪の中に連れてきた。
「ほーん、遠藤が俺に？」
全部成り行きを知っているくせに、侑くんはニヤニヤする表情を隠さずに輪の中心から私を見る。
面白がって両隣にいた二人が私の背中を押して、出来上がるのはまるで公開告白現場。
今までもクラス中が面白がって視線を寄越していたけれど、自分に刺さると話は別だ。
好奇の視線もさながら、相手が侑くんだなんて、とってもついてない。
王様にしてみればちょうどよくそこにいたのかもしれないけど、私にとってはよりにもよって、だった。
なんて言おうか、と逡巡。
あまり尺を取るとガチに思われかねないと腹を括り、目の前に立つ侑くんの顔を見上げた。
「えーっと、侑くん」
「はーい」
「好きです」
無難に行こうと絞り出したシンプルな言葉。きちんと平静を装えていただろうか。
言葉にしてしまえば、それがぶわっと私の全身に熱をもたらす。
思わず侑くんを見上げていた視線を彼のつま先に落とした。
周りがわいわい騒ぎ、侑くんの次の言葉を待っている。
こういう罰ゲームでの告白は、振られるまでがワンセットなのだ。
それなのに、侑くんは相変わらずにやけ顔で私を見下ろしているらしい。
正面から刺さる視線に顔を上げたら、いたずらっぽい目と視線がかち合った。その唇はゆるく弧を描いていて、明らかに彼がこの状況を楽しんでいることがわかる。
お願いだから、早く何かを言ってほしい。
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ひな(プロフ) - なぎささん» 初めまして、コメントありがとうございます！ドキドキしていただけてとっても嬉しいです！こちらこそ閲覧ありがとうございました！ (2018年9月20日 17時) (
レス) id: b56c38f9b7 (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。全体的に最高すぎて終始ドキドキしっぱなしで読ませていただきました…素敵なお話をありがとうございました…！ (2018年9月16日 16時) (レス) id: 2a6bd4d84b (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - あをいけさん» ありがとうございますイベント海コンビニのながれをつくりたかったのでうれしいですまじでありがとう (2018年9月14日 23時) (レス) id: 7dd974e27d (このIDを非表示/違反報告)
あをいけ(プロフ) - 海の次にある選択肢がビニコンなの最高に好きですごちそうさまでした (2018年9月14日 22時) (レス) id: 02a650837d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな
| 作者ホームページ：https://twitter.com/pp__synd
作成日時：2018年9月14日 21時
