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ある日突然、兄貴に呼び出された。
兄貴とはJAPAN BOYS COLLECTION以来、まあまあ仲良くやっている。
お互いの予定を合わせて何回か会ったし、休みがとれた時は実家にも帰った。
急に電話が来たから、次の休暇か何かの話だと思って出た。
しかし、兄貴からの電話はただ事ではないようだった。
『急だが、お前にどうしても話さなくてはならんことがあってな。
次の休暇にでも来れるか？
いや、来てくれ。頼む』
何かあったのか？と悶々と考えつつも、あの電話から5日後、俺の足は兄貴の執務室へと向かっている。
「どうぞ」
執事に案内され、無駄に広い部屋に入る。
秘書や執事は誰一人おらず、俺と兄貴の二人だけ。
メイドが入ってきたかと思えば、紅茶を出して出ていった。
「やぁレン、お帰り」
「ただいま、兄貴」
促されるまま、俺は応接用のソファへと腰掛ける。
「……で、話って？
こんなに急に呼び出すんだから、相当重要な話なんだろ？」
「ああ……。
いや、とりあえず謝らせてくれ。
……すまん」
「どうしたんだよ突然。
兄貴が謝る理由って何？」
「……お前の、許嫁の話だ」
「＿＿＿＿＿＿＿そう」
「父さんから何か聞いていたか？」
「いや、何も」
「婚約破棄が出来るような相手でもなくてな。
相手側もお前の職業には理解があるらしい。
事は今すぐでなくともいいそうだ」
「……ならいいよ、別に」
俺の一生に関わることだというのに、頭の中は酷く冷静だった。
心残りのある相手がいない訳じゃない。
幼い頃から覚悟ならあった。
こうなることはわかっていた運命だ。
でも、父親の死によって全てが泡のように消えたのではないかと期待していた自分がどこかにいた。
そんな自分を押し込めるように紅茶を一口含む。
相変わらず香るのは、兄貴の好きなアールグレイ。
「……ところで、相手って？」
「レンも昔から知っている子だよ。
取り決めたのは父親同士だが、俺も悪くはない話だと思っている」
俺が昔から知っている子なんてそこまで多くない。
誰だ？あの子か？
でもあの子は＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。
「まさか……」
「あぁ、＿＿＿＿さんだ」
その名前こそ、唯一の心残りがあった相手だった。
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儚霧(プロフ) - タナトフィリアさん» コメ有難うございます。ネタはあっても文章が纏まらないので死ぬほど亀更新ですが、精一杯頑張らせて頂く所存です。これからも宜しくお願いしますm(__)m (2018年7月8日 16時) (
レス) id: 4f1bc6d88e (このIDを非表示/違反報告)
タナトフィリア - とっても面白いです！続きがとても気になります！更新楽しみに待ってます！ (2018年7月8日 13時) (レス) id: 41c9a6a89d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：儚霧 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年2月14日 1時
