絶対的ヒロイン。 【HQ】

第19話 ページ20

『夕、私のこと嫌いになった？』

勇気を出して聞くと夕は驚いた顔をして首を振った。

｢ち、ちがう！それはねえよ！でも、誰を信じていいかわかんねえ……｣
夕は暗い顔をしてそう言った。

ちゃんと話し合わなきゃいけない。

脇役だからと逃げちゃダメなんだ。

『あのさ、明日の昼休み色々話そう。私も話したいことたくさんあるの。』

私がそう言うと夕は頷いて気まずくなったのか廊下を走っていった。

片桐さんとも話をしたいんだけど

今の彼女は何をするかわからない。

少し様子を見よう。

廊下で立ち止まって少し考えてからまた教室に向かおうと足を踏み出した時だった。

｢元気ないね。片桐のせい？｣

後ろから声をかけてきた人物がいた。

『緑下…』

いつもの微笑んだ顔で縁下は私の隣に立った。

なんでわかったんだろう。

｢そんな不思議そうな顔しなくてもみんなわかるよ。最近片桐おかしいからなー｣

縁下はくすくす笑ってそう言った。

みんなにバレてるんだ。片桐さんヒロインを演じ切れてないのかな。

『まあ確かにそうなんだけど…夕にもなんか言ったらしいんだよね。この前キスしてたし』

私が掠れた声でそう言うと縁下は少しだけ驚いた顔をした後また微笑んで

｢キスしたのは初耳。でも西谷のことは平気だと思うよ。あいつの好きな人は片桐じゃないから｣

サラリと私の驚くことを言った。

『えっ、それってどういう……』

縁下はさあね、とだけ言って教室に入った。

……ちょっと期待してもいいってことかな。

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片桐さんとのわちゃわちゃを少し入れて恋愛に持っていこうと思います。

西谷好きの方は必見……、！

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